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ヒヨ吉が行く2007
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中野さんからのメール

 

1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか?


8月は「高山で登山とともに鳥を楽しもう」


      場所:長野県茅野市白駒池
日付:2006年8月12日(土)



読者の皆さん、こんにちは。前回までの観察で100種を越え、なかなかいいペースで観察数を増やしていることに、かなり気分のいいBIRDER編集部のヒヨ吉です。(^_^)

8月は「高山で登山とともに鳥を楽しもう」ということで、「1年で120種類の野鳥と出会える本(文一総合出版)」でも紹介されている長野県白駒池に行ってきました。


普通の登山も好きなヒヨ吉。普通の登山ならば双眼鏡だけで出かけるのですが、今回はカメラなどの重い撮影機材などもあるため、急斜面などもなく本格的な登山でなくても手軽に楽しめると教わったこの場所を選びました。探鳥地のガイド部分の文を読むと、私の大好きなホシガラスもいるとのこと! ワクワクしてきてしまいました。

前日夜の天気予報では、「雷雨に注意が必要」と言っていて不安もありました。
山の天気は急変しますし、まして雷雨ならば危険もあります。天気が悪ければすぐに引き返すことを決めて、まずは現場に行くだけ行ってみようということにしました。お盆帰省のせいか、いつもよりやや車の多い夜の中央高速を使って白駒池を目指しました。


午前6時、池に一番近い駐車場(一日500円)に車を止め、空の様子をチェック。晴れてはいませんが、風もなく、穏やかな天気だったので、観察準備をして歩き始めました。


写真1:白駒池入り口


ふと見上げるとアマツバメが飛び、ビンズイがさえずっていました。出だしから好調です。

駐車場からすぐに、コメツガやシラビソなどの針葉樹が優占する亜高山帯の森が始まります(写真2)。


写真2:針葉樹の森


すぐに木々の奥からすでにいろいろな鳥の声がしました。

つぶやくようなキクイタダキの声を始め、玉を転がすような声のルリビタキ、「フィ、フィ」と涼しい口笛のようなウソ。どれも森の中から聞こえるだけで姿は見られずに残念。

しかし、ウソは今回、文一の書籍編集部にいるTさんのきれいな写真を拝借しました(写真3)。


写真3:編集部Tさん撮影のウソ雄。赤いほっぺがきれいに写っています。ヒヨ吉、ジェラシー炸裂!
ヽ(*´Д`)ノ


登山をイメージしていきましたが、駐車場から池をまわる周回散策路は高低差もなく、汗も全然かきませんでした(写真4)。


写真4:整備された道幅のある散策路。鳥を見ていても登山者ともすれ違いで困ることはありません。登山者の皆さんも、気持ちのよい挨拶をしてくださいました。バードウォッチャーもそうありたいですね


木々の合間を飛び交うヒガラやコガラを見ていたとき、「ツリリリリ……」と今まで聞いたことのない鳥の声がしました。

何だろう? 不思議に思ったその瞬間、ヒヨ吉の前の木にコゲラのような鳥がやってきて、スルスルと素早く上に登っていきます。コゲラは「ギィー」って濁った声のはず。ムムム……。

考えているうちにどんどんその鳥は木の幹を登っていってしまいます。ああ、写真撮らなくちゃ!
やっと撮った一枚がこれ(写真5)。キバシリじゃん! やったー!\(^o^)/


写真5:やったーー! キバシリ!


ちょこまかと動き回るのでなかなかフレームに入らず、キバシリとわかるのはこの一枚だけ。なんとも情けなや……。カメラマンさんがピシッとピントのあった写真を撮ることのすごさを改めて感じました。

キバシリに会った興奮も冷めやらぬうち、白駒池に到着。静かな水面がすてきでした(写真6)。


写真6:白駒池。湖畔でのどかな時間を楽しみました


湖畔で少しのんびりしていると、背後からカサコソと音がします。

何だろうと振り返るとキジバトが地面で餌探しをしていました。ヒヨ吉、体をよじっての撮影に初挑戦!(写真7)
まだ、周囲が暗かったせいか、写真はややぶれ気味。


写真7:写真ではわかりませんが、かなり無理な体勢で撮影したキジバト。ぶれたこの写真を見る限り、その必要があったのかどうか……(T_T)


池の周囲は1.6kmある白駒池。

自然池としては日本最高地点にあると言われ、ゆっくり探索したいのですが、天気も心配なので、再び歩き始めました。歩いてすぐ、コケの間から出る白いものを発見。ギンリョウソウでした(写真8)。


写真8:ギンリョウソウ


湿った山中の日陰にはえる腐生植物。

今でこそ、この花をきれいに思えますが、子どものころは幽霊草と呼んで、この半透明に見える植物を気味悪がっていました。大人になるとこの美しさがわかるってものでしょう。


この美しい森にいるだけで幸せなヒヨ吉ですが、やはり鳥ももうちょっと見たいなぁと思い始めたそのとき、濃い緑色の鳥が藪の中に飛び込んでいきました。

待つこと数分、出てきたのはムシクイの仲間。
この仲間は見ただけじゃ、なかなかわからないんだよなぁ…と思ったら、

「ジュリジュリジュリジュリ……」

鳴き始めたのです。おお! メボソムシクイ(写真9)。


どこにいるか、わかりますか?
ここにいます
写真9:藪の中でさえずるメボソムシクイの写真


メボソムシクイは、さえずる前に「グェグェ」と小声で苦しそうな声を出すことを知りました。皆さんも近くでメボソムシクイの声を聞けるチャンスがあったら、ぜひ確認してみてください。

その後、メボソムシクイは何回か観察できましたが、なかなかじっとしていないことや、暗いところにいたりしていい写真は撮れませんでした。でも、シャッターを押してきましたので、メボソムシクイ苦心作を公開します(写真10)。


かろうじて嘴の黄色が分かります
ダケカンバで餌を採る姿
くびを傾けているかわいらしい写真ですが、ピントが合っていなくてスミマセン
写真10:頼むから、じっとして〜(;´Д`)ノ


メボソムシクイから目を離すと、「グググッ」と低い声の鳥が目の前の木道の上をうろちょろしています。頭と背中に点々模様がいっぱい。こんな鳥、図鑑に載っていたかな? 何だろうと思ったそのときです!(写真11)


木道に現れて
ちょっとこっちを見て
近づいてきました!
ヽ(゚∀゚)ノ
写真11:この鳥は何? と思っていたそのとき……


「ヒー、ヒー」と甲高い鳥の声がしました。

声の方向を見ると、ルリビタキの雄がこちらを見てとても警戒しています(写真12)。


写真12:ルリビタキの雄・成鳥。警戒しているときはわき腹のオレンジ色は見えなくなるようです(2005年ヒヨ吉が行く、第7回八ヶ岳編写真6参照


へぇ、これは、ルリビタキの幼鳥なのか〜。
よく見ると尾羽がほんのりと青っぽいのが肉眼でもわかりました。ルリビタキの特徴がすでにでているのですね。

雄のとてもきれいな青も印象深かったのですが、無邪気にヒヨ吉の前で遊ぶ幼鳥のかわいらしさが今回は勝って、じろじろと観察。でも、親鳥をこれ以上心配させてはいけません。そっとその場を後にしました。



11時、もとの駐車場に戻ってきて、本日は終了。
ちょうど空も曇ってきて、遠くで雷の音もしてきました。早く帰ったほうがよさそうです。
楽しい鳥見でした。白駒池の神様、ありがとうございました!

鳥以外にも白駒池周辺の自然はヒヨ吉を存分に楽しませてくれました。
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8月出現鳥類リスト(長野県茅野市白駒池)
出現鳥類数 18種
8月注目種達成種 10種
2006新・見聞種 9種
番外種 なし
達成率 66%(注目種15種類中)

番号 出現鳥類名 300図鑑掲載頁 8月注目種 2006初見種  
1 トビ 70
 
2 キジバト 169
 
3 アマツバメ 187
 
4 コゲラ 202
 
5 キセキレイ 210
 
6 ビンズイ 213
 
7 ミソサザイ 225
 
8 コマドリ 228
 
8 コルリ 231
 
9 ルリビタキ 232
 
10 アカハラ 239
 
11 ウグイス 244
 
12 メボソムシクイ 252
 
13 キクイタダキ 255
 
14 コガラ 265
 
15 ヒガラ 267
 
16 キバシリ 271
 
17 ウソ 293
 

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