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1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか? |
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11月は「冬のアシ原は猛禽類のハンティングゾーン!」 |
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場所:栃木県・茨城県渡良瀬遊水地
日付:2006年11月23日(木) |
読者の皆さん、こんにちは。BIRDER編集部のヒヨ吉です。(^_^)ノ
残すところあと1回となったウェブ限定企画「ヒヨ吉が行く2006」。今回はアシ原ということで、日本で釧路湿原についで2番目に大きいアシ原と言われる渡良瀬遊水地へ行ってきました。到着してすぐ、この平原。ここは本当に日本なの? と疑うような空と平坦な土地の広さにはちょっと感動でした(写真1)。
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写真1:広大なアシ原 |
まずは堤防の上から観察。草地の中に立つ木々にはツグミが止まっています(写真2)。
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写真2:ツグミ |
その下のやぶには、チッやツツツなど地味な声で鳴くアオジやカシラダカ、ホオジロが結構います。
双眼鏡や望遠鏡では捉えられるのですが、なぜかカメラを向けるとすぐにやぶの中へ入ってしまいました。鳥は観察道具と撮影道具を見分けられるのでしょうか? いやいや、そんなはずはないと思うのですが、やっと撮影できたのはこのアオジのみ(写真3)。
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写真3:アオジ |
フィフィ、と口笛のように鳴くベニマシコもいたのですが、恥ずかしがりやで、ずっとやぶの中をうろちょろしていました。図鑑でよく見るあのホワホワのピンクがしっかり見たいのに〜!(;´Д`)ノ
シャイなベニマシコにちょっと不完全燃焼をしていると、しわがれた声で鳴きながらダイサギが飛んでいきました(写真4)。
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写真4:飛翔するダイサギ |
やぶばかり見ていて、見るべき猛禽を逃していたかもしれません。いかんいかん。そう思ったときに、アシの上をスーッと滑るように飛んできた鳥がいました。ナニナニ?(写真5)
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写真5:アシ原の上を飛ぶあの鳥は? |
今日のお目当ての一つ、チュウヒの登場!!!ヽ(゚∀゚)ノ
音もなくアシ原の上を飛ぶチュウヒってかっこいいです。大サービスのチュウヒに、カメラで横も縦も狙ってみました(写真6、7)
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写真6:大サービスのチュウヒ
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写真7:うぉっ!? こっちに向かってきた!! |
そんなチュウヒの撮影でご機嫌だったヒヨ吉の前を高速でよぎったものがありました。むむ、どこかで見た記憶のある鳥影……。(写真8)
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写真8:どこかで見たことが… |
飛び続けたその先で翼と尾羽を広げて止まりました(写真9)。
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写真9:止まろうとして翼と尾を広げています |
こ・れ・は!!!(゚Д゚)
やっぱり、チョウゲンボウ! 以前多摩川で見た形といっしょでしたので、検討はつきましたが、やはり止まっている姿を見ると種類を確認できるとほっとします。頭が青みがかっているので、どうやら雄のようです(写真10)。
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写真10:チョウゲンボウ |
シメやカシラダカ、スズメが一つの木に止まるなど(写真11)、ちょっとうれしい瞬間を味わいつつ、渡良瀬遊水地のほぼ中心にある展望場所(バードウォッチャーにはタカ見広場と呼ばれているそうです)では、ノスリを観察。猛禽類なのに虹彩が黒っぽいのでかわいい顔しています。ふと上空を見ると、魚が好物の猛禽、ミサゴも飛んでいました(写真12)。
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写真11:シメ、カシラダカ、スズメが一つの木に止まっていました |
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写真12:悠々と空を飛ぶミサゴ |
タカ見広場をあとにして、遊水池のほぼ中央にある公園をのんびり歩いていると、看板が目に入りました。谷中村遺跡とあります。村で遺跡????(写真13)
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写真13:村で遺跡??? |
よく読むとこの土地の悲しい歴史が書いてありました。
足尾銅山から流れ出た鉱毒が渡良瀬川を汚染し、その毒を沈着させるために谷中村民は強制退去をさせられてしまったそうです。足尾銅山は多くの人に恵みをもたらした存在でもありましたが、その陰で筆舌しがたいことを強いられた人もいることを覚えておかなければと感じました。
このアシ原はバードウォッチャーには魅力的な環境ですが、その背景にあるこの地域の歴史にもきちんと目を向けて学んでいきたいです。
その谷中村跡地をまわる周回路があって、そこを歩いていると、道にはカシラダカがのんびりと餌をついばんでいました。その穏やかな時間との間にあるこの激動の歴史の隔たりをうまく自分の心の中で整理できませんでした(写真14)。
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写真14:餌をついばむカシラダカ |
ふと視線を感じたヒヨ吉、水辺に目をやるとウシガエルがいました。気温は10度くらいしかないのに、水の中で寒くないのかな?(写真15、16)
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写真15:ウシガエルがどこかにいます |
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写真16:ここ!! |
それにしても背の高いアシです。身長179cmのヒヨ吉ですが、それを裕に越えています。一番背の高い場所では2.5mくらいはありました。こういう自然がチュウヒをはじめとした湿原の生き物を支える原点です(写真17)。
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写真17:ヒヨ吉愛用の三脚(約1.6m)と比べてもこの高さ! |
もう一度、堤防からアシ原を眺めて今日の鳥見を終えることに(写真18)。
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写真18:広い…とにかく広い… |
堤防の上に出るとチュウヒが舞っていました。風の捉え方がかっこいいなぁ (´∀`)(写真19)。
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写真19:風にのるチュウヒ。ヒヨ吉も風にのりたい! |
と、そこへちょっと白っぽいチュウヒが!
どうやらハイイロチュウヒのようです。しかもその後にはノスリが目の前に現れてアタフタヽ(;゚Д゚)ノ。やはりいざというときにシャッターがぶれてしまうヒヨ吉はカメラマンにはなれませんね(写真20)。
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写真20:ハイイロチュウヒ雌。次列周辺に翼帯が見えるのが特徴です |
さぁ、次回はついに最後の鳥見。どんな結果になるでしょうか? 今から楽しみです。
おまけページはこちら!(^o^)ノ
11月出現鳥類リスト(栃木県小山市、茨城県古河市) |
出現鳥類数 |
43種 |
11月注目種達成種 |
18種 |
2006新・見聞種 |
7種 |
番外種 |
1種 |
達成率 |
81%(注目種22種類中) |
番号 |
出現鳥類名 |
300図鑑掲載頁 |
11月注目種 |
2006初見種 |
1 |
カイツブリ |
12 |
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2 |
カンムリカイツブリ |
15 |
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3 |
カワウ |
22 |
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4 |
ダイサギ |
32 |
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5 |
コサギ |
34 |
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6 |
アオサギ |
36 |
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7 |
カルガモ |
49 |
● |
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8 |
キンクロハジロ |
59 |
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9 |
ミサゴ |
68 |
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● |
10 |
トビ |
70 |
● |
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11 |
ノスリ |
77 |
● |
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12 |
ハイイロチュウヒ |
82 |
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● |
13 |
チュウヒ |
83 |
● |
● |
14 |
チョウゲンボウ |
87 |
● |
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15 |
クイナ |
99 |
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● |
16 |
オオバン |
105 |
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17 |
タシギ |
143 |
● |
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18 |
セグロカモメ |
150 |
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19 |
キジバト |
169 |
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20 |
ヒバリ |
203 |
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21 |
ハクセキレイ |
211 |
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22 |
タヒバリ |
215 |
● |
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23 |
ヒヨドリ |
218 |
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24 |
モズ |
220 |
● |
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25 |
ジョウビタキ |
233 |
● |
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26 |
ツグミ |
243 |
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27 |
ウグイス |
244 |
● |
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28 |
セッカ |
256 |
● |
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29 |
ヤマガラ |
268 |
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30 |
シジュウカラ |
269 |
● |
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31 |
メジロ |
272 |
|
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32 |
ホオジロ |
274 |
● |
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33 |
カシラダカ |
277 |
● |
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34 |
アオジ |
282 |
● |
|
35 |
オオジュリン |
283 |
● |
● |
36 |
アトリ |
285 |
|
● |
37 |
カワラヒワ |
286 |
● |
|
38 |
ベニマシコ |
292 |
● |
● |
39 |
スズメ |
298 |
|
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40 |
ムクドリ |
300 |
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41 |
オナガ |
303 |
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42 |
ハシボソガラス |
308 |
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43 |
ハシブトガラス |
308 |
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番外 |
ドバト |
311 |
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