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ヒヨ吉が行く2007
バックナンバー2006
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12月 雑木林で野鳥
バックナンバー2005
ヒヨ吉読者の広場
中野さんからのメール

 

1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか?


3月は「家の周りで野鳥たちを探そう」


      場所: 神奈川県海老名市・県立相模三川公園
日付: 2006年3月15日(水)



読者のみなさん、こんにちは。BIRDER編集部のヒヨ吉です。

「目指せ 年間120種!」でがんばっております。中野泰敬氏著「1年で120種の野鳥と出会える本」(文一総合出版 1,400円+税)によれば、3月は「家の周りで野鳥たちを探そう」。近くで鳥のいそうな場所がないか、自宅付近の地図を見ながら探してみました。駅から徒歩で20分くらいはかかりそうですが、県立相模三川公園があることに気がつきました。

「ひとまず、ここにしてみよっかな(^o^)」

そんな、やや曖昧な気持ちだったのですが、春の陽射しに誘われて行ってきました。


ホトケノザ。よく土手などで見かける、私の好きな春の花の一つです


県立相模三川公園は、相模川・中津川・小鮎川の合流点の上流につくられた、神奈川県立公園初の河川公園です(写真1)。公園の入り口には子ども用の遊技場があり、幼稚園の子どもたちが遊びにきていて、とてもにぎやか。まだ一部が開園したのみで工事している箇所もあったのですが、さしあたっての探鳥には問題ありませんでした。

観察用具をセットして、探鳥開始。ヒバリの声が聞こえ、上空をトビがゆっくりと舞っていました。気持ちよさそう!(写真2)


写真1:県立相模三川公園
  写真2:トビ。気流をとらえたのか、ぐんぐん上昇していきました


と、上ばかり気にしていたら、カサカサと草むらが揺れました。待つこと数分、出てきたのはホオジロ(写真3)。そのホオジロの群れをよく見ると、アオジやカシラダカもいて、一気に種類を増やすことに成功! ちゃんと見ればいろいろ見えてくるものなのですね。


写真3:草むらから出てきたホオジロ。小鳥の撮影は難しいです


草むらにいたカシラダカの1羽が木に止まり、しばらく休んでいたら、シジュウカラが同じ木に止まりました。

何気なく見ていると、ちょっとずつシジュウカラはカシラダカに近づいていき、何やら話しているような感じになりました(写真4)。

鳥たちの会話がわかる聞き耳頭巾があったらいいのになぁ……。
写真4:シジュウカラとカシラダカ
 


それにしても、なんとも気持ちのよいポカポカ陽気。ウグイスは藪の中で「ホケキョ」とさえずりを練習中。ふと見たキジバトもその暖かさにうっとりした感じ(写真5)。


写真5:キジバト


鳥たちもつがいで行動しているものが多かったです(写真6-1、6-2)。


写真6-1:メジロも2羽で行動しているものが多かったです
  写真6-2:つがいで餌をとるムクドリ


ふと高い木の上を見ると大きな鳥の巣がありました(写真7)。 よく見ると針金のハンガーが混じっています。あとで調べたところ、どうやらカラスの巣のようでした。近くにハシボソガラスがいたので(写真8)、もしかしたらハシボソガラスの巣かもしれませんね。4月にもう一度この場所に来て、ブトかボソかを確認したいと思います。


写真7:カラスの巣。よくみると針金のハンガーが使われています
  写真8:ハシボソガラス。ハシブトガラスと違っておでこのでっぱりが小さいのが特徴です


ムクドリのいた芝生にはツグミ(写真9)を発見。水辺に目をやると、コサギとコガモ(写真10)もいました。もうすぐ彼ら冬鳥は北に帰ってしまいますね。


写真9:地面で餌をとるツグミ。春になるとちょっと翼の茶色が鮮やかになるような気がします
  写真10:コガモの雄。北に帰ってしまうので、もうすぐお別れです


春の陽気で虫たちも動き始めていました。その虫たちを巧みな飛行で捕まえていたのは、ヒヨドリでした(写真11)。


写真11:虫を上手に捕まえたヒヨドリ


のんびりな空気のなか、オナガ(写真12)が現れて、長―い尾羽を見ていたら、急にけたたましい声が響き、目の前の木に見慣れぬ鳥が1羽止まりました。脇腹のオレンジ色がまず目に入ってきました。おお、なんですか。これは?(写真13)


写真12:東日本で見られるオナガ。関西の人が見たい種類の一つと聞いたことがあります
  写真13:アカハラ。顔が黒っぽいので、亜種オオアカハラの可能性が高そうです


日本の鳥 300を見てみると、アカハラのように感じましたが、ヒヨ吉の見たものは頭がずいぶんと黒っぽく、ちょっと疑問あり。うーん、これじゃわからないのかなと思っていると、写真の解説部分に「冬に見られる頭の黒っぽく、別亜種のオオアカハラであることが多い」との文章。おお、ぴったんこじゃない! 家の近所の予想以上の収穫に大興奮のヒヨ吉でありました。

もとの入り口に戻ってきたところで、モズを発見して(写真14)、本日の探鳥は終了。
梅の香りがほんのりと漂い(写真15)、本当に気持ちのいい探鳥でした。2月のカモメのときのような大嵐の日もあれば、今回のほんわかポカポカ日もある、それがバードウォッチングの「もう一つ」の醍醐味かもしれません。


写真14:モズの雄はいろいろな鳥の声を真似していました

  写真15:満開の梅の花


  左:身近な鳥をのんびり観察できた一日でした。公園などは、午後になると人が増えるので午前中がいいかもしれません。



3月出現鳥類リスト(神奈川県海老名市・県立相模三川公園)
出現鳥類数 37種
3月注目種達成種 18種
2006新・見聞種 19種
番外種 0種
達成率 85%(注目種21種類中)

番号 出現鳥類名 300図鑑掲載頁 3月注目種 2006初見種
1 カイツブリ 12
2 カワウ 22
3 ダイサギ 32
4 コサギ 34
5 アオサギ 36
6 カルガモ 49
7 コガモ 50
8 トビ 70
9 オオタカ 73
10 チョウゲンボウ 87
11 コジュケイ 93
12 オオバン 105
13 キジバト 169
14 カワセミ 191
15 ヒバリ 203
16 イワツバメ 208
17 ハクセキレイ 211
18 セグロセキレイ 212
19 タヒバリ 215
20 ヒヨドリ 218
21 モズ 220
22 ジョウビタキ 233
23 アカハラ 239
24 ツグミ 243
25 ウグイス 244
26 シジュウカラ 269
27 メジロ 272
28 ホオジロ 274
29 カシラダカ 277
30 アオジ 282
31 カワラヒワ 286
32 シメ 296
33 スズメ 298
34 ムクドリ 300
35 オナガ 303
36 ハシボソガラス 308
37 ハシブトガラス 309
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