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1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか? |
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7月は「高原で涼しい風に吹かれての鳥見を満喫しよう」 |
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場所:静岡県富士宮市朝霧高原
日付: 2006年7月17日(月) |
読者の皆さん、こんにちは。BIRDER編集部のヒヨ吉です。
この「目指せ120種」企画が始まって7か月、鳥を見にあちこちへ出かけました。いつも持ち歩いている手の平サイズで便利な野鳥図鑑「ポケット図鑑
日本の鳥 300(文一総合出版)」もだいぶ貫禄が出てきました。
さて、中野泰敬氏著「1年で120種類の野鳥と出会える本(文一総合出版)」によれば、7月の目標場所は「高原」。言葉の響きだけで、涼しい風が心の中を抜けていき、気持ちよくなってしまいます。
大雨だったり(2月)、大風だったり(4月)、蒸し蒸ししたり(6月)して、悪条件での鳥見が多い今年のヒヨ吉にとって、今回こそは! という思いでいっぱいでした。
自宅の神奈川から比較的近い高原はどこかと、1年で120種類の野鳥と出会える本の巻末の探鳥地案内を見ていると、静岡県の朝霧高原が神奈川からは近くて便利そうです。
「よっしゃ、ここだ!」mg ( ゚Д゚)
連休だったので、実は前日まで沖縄ヤンバル地方へ遊びに行っていたヒヨ吉は、17日の朝霧高原付近の天気はまったく調べずに、早朝愛車のヒヨ吉号に乗って朝霧高原を目指しました。しかーし!
到着したら、こんな天気…(写真1)。高原の名前の通り、朝霧で視界はまったく効きません。
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写真1:「どうしよう……(T_T)」 |
延期も考えましたが、日程がとれないので、一先ず歩くことにしました。鳥が観察できるほどの視界はありませんが、道案内の表示はしっかりしているので、道に迷う心配はなさそうです(写真2)。
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写真2:しっかりした道標があるので、密に迷う心配はないです |
歩き始めてすぐ、カッコウの声がしました。この鳥の声を聞くと高原に来たな〜と感じますね。できれば青い空の下でこの声を聞きたかったのですが……。
しばらく進むと、人の背丈よりも少し高いヒノキの若木が植わっている場所に出ました。深い霧越しに、遠いヒノキの上で元気にさえずるアオジの雄を見つけました。よくその声を聞くと、去年栃木県の奥日光で聞いたアオジのさえずりとはちょっとリズムが違います。
「鳥たちにも方言がある」と聞いたことがありますが、それを実感しました(写真3)。
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写真3:アオジ |
それにしてもいっこうに霧が晴れません。(T_T)
鳥たちの声はすれども、姿は見えず。下を見ながら歩くことが増えていきました(写真4)。
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写真4:まだガスっています… |
すると、結構、虫がたくさんいることや花が咲いていることに気づきました。 マメコガネ(写真5)は子どものころによく捕まえて遊んでいました。
草花もたくさんありました。編集部のTさんにお聞きしたところ、オオダイコンソウ(写真6)、ノリウツギ(写真7)という植物だそうです。
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写真7:ノリウツギ |
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写真8:カバキコマチグモの巣 |
歩いていたら、なつかしいものを見つけました。カバキコマチグモの巣です(写真8)。
BIRDERの編集部は東京都新宿区にあるので、このような草原を生活の場とするカバキコマチグモのようなクモはなかなか出会えません。子どものころ、私は「チマキグモ」と呼んでいました。笹の葉っぱをこの写真のように巻いているのです。中では、雌の親が卵を守っています。いたずらに開けると指を噛まれるので、注意してください。
私、噛まれたことがありますが、結構毒性があって痛いですよ〜。(;^_^)
草地を抜けると、林縁部に来ました。
すると、さっそく「ギチギチギチ」とモズの声。秋に見るモズよりも頭の灰色みがあり、「高原モズ」と呼ばれることもあります(写真9)。モズのいた林縁部をゆっくり歩くと、ふわーっと何か黒い虫が飛びました。
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写真9:「高原モズ」と呼ばれる灰色みの濃いモズ |
お、久しぶり〜! オバボタル(写真10)。
ホタルと言うとカワニナなどを食べる水生のゲンジボタルやヘイケボタルが有名ですが、このオバボタルはキセルガイなどの陸生の貝を食べるホタルです。
日本では水生のホタルの方が有名ですが、世界的には陸生ホタルの方が多いのです。子どものころに初めて知ったときには驚きました。
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写真10:オバボタル |
下を向いて歩くことが多いこの日の探鳥。前を注意しなくなったら、道のすぐ脇からキジの群れがドドドっと群れで飛び立ってびっくり!
飛び立った場所を見ると、キジのいたところは、土が故意によけられたような跡がありました(写真11)。でも、キジがやったにはちょっと規模が大きすぎるような気がします。むむむ……。
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写真11:この広い土を掻いたような跡は… |
その答えは、少し歩いた先にありました。散策路の脇に、山の方に続く道を発見(写真12)!
ちょうど人の腰ぐらいまでは木の枝がかぶっていなくて、トンネルみたいになっていました。大きな蹄の足跡からイノシシの可能性が高そうです。イノシシたちの掘った裸地を使って、キジが餌をとっていたようです。生き物たちはつながっているのですね。
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写真12:黄色の矢印が入り口 |
ふと、鳥を見にきているのだったと思い出し、双眼鏡で周囲を眺めてみました。
コヨシキリのリズミカルな声のほか、ホオアカのさえずりや、ノビタキの雄のオレンジ色の胸を観察。でも霧の中でよく見えず(写真13)……(T_T)。
でも、行動をよく見ていると、さえずっていた場所から飛び立っても、しばらくするとその場所に戻ってきてさえずっています。これはなかなかおもしろい。ソングポストと呼ばれるさえずりの定位置があると聞いていましたが、それを確認できました。
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写真13:ノビタキ |
道の脇でよくさえずっていたホオアカの止まり場を見てみると、その場所には糞のあと(写真14)。
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写真14:ホオアカの止まり場。黄色い→の場所に糞がついています |
霧の中であまり鳥の姿そのものは見られませんでしたが、現場に来るといろいろ発見できて楽しいです。
到着したときは、あまりの濃霧に日程を変えようかと思ったのですが、やはり歩いてよかった。とにかく現場に行ってみるという気持ちが、いろいろな楽しいことを連れてくるのだと感じています。
帰宅して出た鳥を確認していたとき、一つ思い出したこと。5月の山梨での観察の際、カッコウ科の鳥がいれば、そこには托卵する相手の鳥もいると学んだヒヨ吉。今回もホオジロやオオヨシキリ、ノビタキなど、カッコウの托卵相手がちゃんとフィールドノートに書き込まれていました。
自然って、こういう見方をしていると、本当に奥深いです。
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写真15:オカトラノオ |
オカトラノオ(写真15)が咲いてました。白くてくるりとねじれた形の花が私のお気に入りです。
[ヒヨ吉から]
今回の朝霧高原での探鳥では、まったく野鳥の写真が撮れなかったため、今回使用した鳥の写真は、すべて撮影地は別の場所で、説明用に使用しました。m(_
_)m
出現鳥類数 |
26種 |
7月注目種達成種 |
11種 |
2006新・見聞種 |
4種 |
番外種 |
なし |
達成率 |
57%(注目種19種類中) |
番号 |
出現鳥類名 |
300図鑑掲載頁 |
7月注目種 |
2006初見種 |
1 |
トビ |
70 |
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2 |
キジ |
92 |
● |
● |
3 |
コジュケイ |
93 |
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4 |
キジバト |
169 |
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5 |
カッコウ |
174 |
● |
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6 |
ホトトギス |
176 |
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7 |
アカゲラ |
199 |
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8 |
コゲラ |
202 |
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8 |
ヒバリ |
203 |
● |
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9 |
ツバメ |
205 |
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10 |
ハクセキレイ |
211 |
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11 |
ヒヨドリ |
218 |
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12 |
モズ |
220 |
● |
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13 |
ノビタキ |
234 |
● |
● |
14 |
クロツグミ |
238 |
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15 |
ウグイス |
244 |
● |
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16 |
コヨシキリ |
250 |
● |
● |
17 |
オオヨシキリ |
251 |
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18 |
セッカ |
256 |
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19 |
メジロ |
272 |
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20 |
ホオジロ |
274 |
● |
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21 |
ホオアカ |
276 |
● |
● |
22 |
アオジ |
282 |
● |
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23 |
カワラヒワ |
286 |
● |
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24 |
スズメ |
298 |
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25 |
ムクドリ |
300 |
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26 |
ハシブトガラス |
309 |
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