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河北潟でカンムリカイツブリ夏羽を見た! |
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場所:石川県河北潟干拓地(内灘町・津幡町・かほく市)
日付:2005年8月20日(土) |
読者のみなさん、こんにちは。バーダー編集部のヒヨ吉です!
今回は石川県河北潟。冬鳥観察地で有名な場所で、私も吹雪のなか、ケアシノスリを探したことあります。でも、夏は初めて。
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アシ原と水面が多才な環境を作る河北潟 |
まずは「こなん水辺公園」へ。
園内を歩くと、水路にメダカの群れがいました(写真1)。こういう生き物が見られると、ほっとしてしまいますね。さらに園内では、私が見たことのない不思議なセミも発見。「グィー」と、やや重たげな声で鳴く大きく黒っぽいセミ。キリギリスの声を太くして長く鳴いた感じで、最初はクマゼミかなと思いましたが、腹の縁と足の一部に鮮やかな黄色が入っています(写真2)。
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写真1:メダカの群れ
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写真2:本来日本にはいないスジアカクマゼミ |
後日調べると「スジアカクマゼミ」という、本来は朝鮮半島や中国、台湾などにいるセミと判明。
韓国ソウル市内ではごく普通に見られるセミだそうです。日本では最近確認されたセミで、なぜ石川県にいるのかは、よくわからないそうです。朝鮮半島からやってきたとすると、ひょっとしてセミの世界も韓流ブーム?
非常に暑い園内でした。
でも、気持ちよさそうにトビがふわりと飛んできて、棒の上に止まりました。撮影しようと近づくと、トビはこちらが気になるようで、とても警戒されました。トビがよそ見をしたときに、トビのほうへゆっくりと歩く「だるまさんがころんだ」感覚で近づき、やっと撮影(写真3)。この1枚に30分もかかってしまいました。
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写真3:緊張気味のトビ! 凛々しいかも!?
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写真4:ゆったりと空を飛ぶアオサギ |
熱心に? トビを撮影していたら、休憩にきていたトラック運転手のおじさんが不思議に思ったらしく、声をかけてきました。話が盛り上がって「競馬場の裏に鳥見によい場所があるよ」というので、連れていってもらいました。
到着直後、ミサゴが上空から魚をねらってダイビング!
なかなかいいぞと思ったその瞬間、頸の長い鳥が水面に上がってきました。望遠鏡で見ると、 なんと、カンムリカイツブリの夏羽(写真5)! 私の住む関東エリアでは、完全な夏羽はなかなか見られないので感激でした。
嘴を開くと、ふわーっと頬の飾り羽が広がったりして、冬とは違う美しさに思わずウットリ。
河北潟では繁殖しているようですが、今回、雛は見られず。来夏に再度河北潟に来て、雛を見なくちゃ。な〜んていろいろ理由をつけて、遊び歩くヒヨ吉です。
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写真5:美しい夏羽のカンムリカイツブリ |
ほかには、ショウドウツバメ、カイツブリ、バン、サギ類を観察。写真に収めようとがんばりましたが、河北潟の鳥たちはみな警戒心が強く、人影を見ると飛んでいってしまいます。ちょっと悔しいですが、「野生の鳥に会っているんだ!」とこみ上げてくるものも。鳥が人に慣れることが悪いことだとは思いませんが、例えば、給餌が鳥の生活を乱してしまうケースがあることを考えると複雑です。
忘れてはならないのは、野鳥はペットではないということ。
自然の中で生きていく野鳥たちの基本的な生活を尊重しつつ、彼らの声や姿を楽しませてもらえる関係を大切にしていきたいなと感じました。
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