|
|
今回は尾っぽの曲がったエナガを見た! |
|
|
|
場所:神奈川県愛甲郡八管山(はすげさん)〜厚木市鳶尾山(とびおさん)
日付:2005年4月8日(金曜日) |
読者のみなさん、こんにちは。バーダー編集部のヒヨ吉です。
またまたウェブ限定でのご挨拶です。第4回以降、しばらくあいだが空いてしまいました。どうもすみません。
さて今回は、私のフィールドの一つ、神奈川県愛甲郡と厚木市にあるハイキングコースの八管山から鳶尾山へ、春を探しに行ってきました。花粉症のある方には申し訳ないのですが、4月はハイキングにとても気持ちのよい季節です。鳶尾山は標高が235m。所々に少し急な坂もありますが、のんびり歩ける良い山です。
とにかく芽吹きがきれいな山です。やわらかな春の色は、樹々たちが寒さを越えた喜びを体でいっぱいに表現しているかのようです(写真1)。桜も山の中で見る方が私は好きですね。公園でドンチャン騒ぎの花見はどうも肌に合いません。また、ふと林床に目をやるとタチツボスミレが満開でした(写真2)。ごく普通のスミレですが、私の好きな花の一つです。
|
|
|
写真1:山桜が美しい |
|
写真2:タチツボスミレ |
歩き始めた時間が鳥見にはやや遅かったのですが、鳥たちはいろいろ現れてくれました。
林の下の方でカサコソと何か音がするので、しばらく待っていると、現れたのはヤマガラでした(写真3)。赤いチョッキを着たような羽の模様は私のお気に入りです。地面の木の葉の中から何かを見つけては、くわえて木の枝の上に運び、両足で押えて食べていました。じっとしていた私に気づいているのかいないのかはわかりませんが、30分以上興味深い行動を観察できました。
|
|
写真3:ヤマガラ |
しばらく歩いて鳶尾山山頂へ。私が小学生のときから鳥の観察会などでお世話になっているSさんに偶然にもお会いしてびっくり。最近の鳥情報を交換したりしました。その楽しい時間に華を添えるようにホオジロがさえずってくれました(写真4)。
山頂でSさんとはお別れしましたが、思いがけない出会いに気分を良くした私を囲むかのように今度はメジロがやってきました。桜の蜜が一番の目的だったようですが、木の芽の根元についている小さな虫も食べているようでした(写真5)。
|
|
|
写真4:ホオジロ |
|
写真5:メジロ |
メジロが去る少し前、ジュルル、ジュルルとエナガの声がしました。木の幹に隠れて待つと、すぐ目の前までやってきてくれました。こちらは隠れてたかったのですが、なぜかエナガは回り込んできて、私の方へ私の方へやってくるのです。困ったけれど、でも嬉しかったですね。
さて、このエナガ、よく見ると尾羽が曲がっていました(写真6)。
これはこのエナガがこの山のどこかで卵を温めている証拠です。エナガの巣は丸いボール状の形をしており、一カ所に穴があいていてそこが出入り口になっています。
その巣はエナガの長い尾は曲げて入らなければならない大きさなので、卵を温めているときにクセがついてしまうのです。このように尾羽の曲がっているエナガを見たら、近くで子育てをしていると考えていいでしょう。雛たちの元気な姿に会いに、またいつかこの山を歩くことにしました。
|
|
写真6:尾羽の曲がったエナガ |
帰り道、ちょっと残念な光景に遭遇しました。ゴミの不法投棄です(写真7)。
この山にハイキングにくる方はほとんどが良い人です。すれ違う人たちのリュックサックにはゴミ袋が着いていましたし、実際にゴミを拾っている方にも会いました。しかし、ゴミというのは、99人がマナーを守っても1人が捨ててしまえば、そこにゴミは存在してしまいます。車で入ってきて捨てているような大がかりなものもあるようです。
|
|
写真7:山の斜面に、無造作に捨てられている家庭ゴミの山 |
ヒヨ吉は、一つ決めました。これからフィールドに出たときは、自分のゴミ+10個のゴミを拾って帰ります。大きなものは無理ですが、自分のゴミとだれかのゴミを拾い続けていれば、いつかはなくなると信じてやっていきたいと思います。自分で「プラステン運動」と名前をつけて、勝手に楽しもうと思っています。
そんなことを決めてゴミを拾いながら歩いていたら、偶然アオゲラ? の古巣を見つけました(写真8)。時々は良いこともあるだろうなと予感させてくれる、そんな発見でした。
|
|
写真8:アオゲラ? の古巣 |
|