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今回はオオヒシクイを見た!(かったのですが…) |
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場所:茨城県稲敷郡江戸崎町(現:稲敷市)稲波干拓地
日付:2004年11月5日(金) |
読者のみなさん、こんにちは。バーダー編集部のヒヨ吉です!
今回は茨城県稲敷郡江戸崎町(現:稲敷市)稲波干拓地に来ました。ここは関東唯一のガンの定期的飛来地で、やってくるのはヒシクイの亜種、オオヒシクイ。11月初旬に第一陣が渡ってくると聞きつけてやってきました。実はジャパン・バード・フェスティバルの前日、東京から少し足を延ばしました。
現地について、まず驚いたのはその広さ! 東京にいると、こういう広〜い場所がなんとも気持ちいいですね(写真1)。
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写真1:広大な田園地帯。気持ちが良い! |
田んぼの中を双眼鏡で探しましたが(写真2)、どうもガンの気配がないのです。
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写真2:必死にガンを探す、ヒヨ吉のサービスカット |
現地で観察をしている人に情報を聞くと、11月5日現在では、まだ飛来していないとのこと。うーん、ちょっと早すぎたようでした。でも、干拓地の脇を流れる小野川では、ユリカモメやコサギといった鳥たちが出迎えてくれました。
デジカメを使って撮った写真がこれ(写真3)。ふと見上げると、大きな鳥も飛んでいました。成田空港が近いために、干拓地の上もよく飛んでいました。そういえば、海外へ行くときに、飛行機の窓から霞ヶ浦がよく見えましたっけ(写真4)。
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写真3:小野川の上を飛ぶユリカモメ |
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写真4:飛行機が近い! |
現地情報では、毎年観察を続けている人によると、ここは猛禽類も多いようです。冬期にはオオタカやハヤブサ、ノスリ、チョウゲンボウが現れ、ハイイロチュウヒの雄も見られるとのこと。丸一日、吹きさらしの小野川堤防で待つことが条件らしいですが……。でも猛禽類は見たい! 防寒対策して、また来たいと思いました。
さて、ここではおもしろいことを行っています。減少するガンに餌場を供給するために、農家の方々の協力をいただいて、「オオヒシクイ米」(写真5)というブランドをつくっています。
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写真5:オオヒシクイ米。どなたでも購入可能です |
オオヒシクイを保護するためには、背の高い雑草が生えて視界が悪くなってしまう休耕田を増やさないことが重要ですので、耕作する田んぼの枚数を確保するためにこの制度が役立っています。また、餌となる落ち穂を残すためにすき起こしをやめてもらったり、除草剤の散布を抑えてもらうなどして、関東唯一のガン飛来地としての環境を整えています。
負担の多い作業ですが、ご協力いただく農家のお米を買うことで、農家の方々にガンが渡ってくることのメリットを理解してもらうことができるというわけです。
一袋で3,500円(5kg、消費税・送料込み)です。お問い合わせは、ヒシクイ保護基金(Tel
& Fax: 0298-74-0191)へお願いします。自然との共生を目指すバーダーのみなさんにもぜひ、食べていただきたいです。人と鳥が共存するためにできることがある、そんなことを感じた一日でした。
追記:11月7日、稲波干拓地に第一陣のオオヒシクイ38羽がやって来たというニュースを受け取りました。タッチの差で飛来が見られなかったことが悔しい半面、これでまた行く理由ができたと心の中で思いました。
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