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今回は東京のド真ん中でクロジを見た! |
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場所:東京都渋谷区明治神宮
日付:2004年12月4日(土曜日) |
みなさん、こんにちは。バーダー編集部のヒヨ吉です。
小春日和が続いた12月、明治神宮へ行ってきました。東京のド真ん中、最寄り駅は若者でにぎわうJR原宿駅。しかし、とても深い森が出迎えてくれました。
明治神宮の面積はおよそ72ヘクタール、16万本の樹々が生い茂ります。世界には多くの都市公園がありますが、これほどの森は類を見ません。海外から帰国した人が「日本の都会には緑がない」というのは問題発言かも? しかし、この鬱蒼とした森はどのようにできたのでしょうか?
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森に囲まれた明治神宮の参道 |
明治天皇が崩御されたあと、国民の熱誠を受けて、大正9年11月、ご生母昭憲皇太后とともに縁の深い代々木の地に、明治神宮が創建されました。
創建前の神宮周辺は草原でしたが、10万本にも及ぶ献木が全国からあり、植樹されました。その種類は武蔵野の地に自生している種だけとし、将来は天然林のような様相にすることが目標とされました。
その土地にあった植生復元を計画することは、今のビオトープの基本的重要概念。この言葉が日本に入るずっと昔(約80年も前!)に、すでにこのようなことを考えた人がいることは、日本が以前は環境保全先進国だったのを示すのではないでしょうか?
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東京の真ん中に広大な池が!? |
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見事なもみじ。美しいですね |
さて、自然が大好きなヒヨ吉は、ついついほかのものに目がいってしまいます。クヌギの幹の割れ目に、黒いかたまりがあるのを発見。見るとヤニサシガメという虫たちが越冬していました(写真1)。木の根元にはジグモの巣を見つけるなど、探鳥のはずが、うっかりの「寄り虫」。
本業? の鳥を探しましたが、カラスが多く、小鳥の声は消され気味。でも、神宮内の南池の水源でもある清正井(写真2)でシジュウカラ、メジロ、コゲラなどの混群を発見。そのなかにソウシチョウを発見。この鳥はもともとは中国に生息する鳥で、近年、日本各地で野生化が確認されています。帰化鳥問題が深刻化している昨今、鳥に罪はないのだけれど、複雑な気持ちになりました。
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写真1:越冬するヤニサシガメ |
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写真2:清正井。飲料は不可です |
神宮北側の照葉樹林(写真3)では、南側よりも小鳥の姿が多く感じられました。そこでクロジ(ホオジロ科)を発見!
高層ビルが見えるところで、クロジに会えるなんて。冬のクロジは、夏の高原で大きな声で鳴いていたとは思えないくらいのシャイな感じ。やぶの中にいたので、写真は撮れなかったのが残念! スケッチを載せましたので、どうぞ。
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写真3:クロジを見つけた場所 |
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クロジのスケッチ |
今、こうしてクロジが見られるのは、「天然に近い森の創造」という目標をたて、その管理をしてきた方がいたからこそ。
当時、木を植えているときに、この森のビジョンを描いていなければできないことです。目先のことばかりでなく、もっと先を見据えたことにきちんと時間とお金を使うこと。現代社会が学ばなくてはいけないことかもしれませんね。
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