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役に立ってはいけない? 海鳥救助技術…4/4 |
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写真17:ヒグマやシマフクロウ等も生息し、訪れた人々の心を打つ知床の大自然。アイヌの人たちが守り続けた自然との約束を、私たちが乱してはいけませんよね |
海鳥たちは厳しい寒さや荒波の中を必死に生きています。そんなけなげに生きる彼らを脅かすのは、人間が使っている石油。体のほんの一部に付着しただけでも、そこから冷たい海水が染み込んであっという間に体の体温を奪い、死に至らしめます。写真18のような小さな重油の塊でも、数多くの海鳥の殺傷能力があります。
人間はもうしばらくは石油に依存した生活を変えることはできませんから、せめて重油の流出を防ぐ最大限の努力をしなくてはいけないと思います。本当は使えるチャンスがあってはならない重油汚染鳥類洗浄の技術ですが、いざというときに海鳥の命を救うことができるのです。
いざというときがこないことを願いつつ、技術向上を図るのは無駄のように感じられる方がいるかもしれませんが、災害対策とはそういうものだとヒヨ吉は考えています。
もし機会があれば、一度でもいいので講習会を受けてみてください。現場の苦労だけでも知る機会になり、どこかで重油流出事件が起きても、他人事ではなくなります。環境問題はそういう意識が大切だとヒヨ吉は思っています。
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写真18:知床から少し離れた砂浜で見つけた重油のかたまり。不気味でした |
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