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2022年9月号

 

 


“with コロナ”の時代、世界的にキャンプ人気はますます加熱している。
各地でキャンプ場やグランピング施設のオープンのニュースが流れ、
人気のキャンプグッズは品薄状態だ。
では、キャンプ場に来て何をするか。
バーベキューしてテントで寝るだけではもったいない。
自然との距離が近づくキャンプは、鳥と親しむ絶好の機会でもあるのだ。

 
ふだんより少しぜいたくなバードウォッチングを楽しむ

 BIRDING CAMPの魅力は、何といっても探鳥地に身を置く「滞在型バードウォッチング」が楽しめることだ。キャンプ場にいれば、何をしていても常に鳥との出会いのチャンスが続く。今回は富士山ろくのキャンプ場が舞台となったが、食事の準備中に梢に止まるアオバトを見つけたり、食事中にはヨタカが頭上を通過するなど、うれしい鉢合わせに気分が盛り上がった。

 さらにテントで休んでいる間も、外とは布1枚で仕切られてるだけ―屋外に近い感覚でさまざまな音が聞こえてくる。ホトトギスの声を聴きながら眠りにつき、早朝はさえずりに囲まれて起き出すのはお約束だ。

青空を旋回するノスリ。新緑が画面に入る瞬間を見越してシャッターを切った(S)
 

雄大な富士山を背景に乾杯。この日もオートキャンプ場はほぼ満員。キャンプ人気を実感した(B)
5月末でも富士山ろくの夜は冷える。こんなときは温かい食事がいちばん(S)

 

 キャンプ場では鳥に注目する人が少ないせいか、鳥を探す人が機材を持ち寄って集まるフィールドに比べ、より近く、また自然な姿で鳥と出会える気がする。野外に身を置くことで、自然の1日のリアルな流れがより身近なものとしてじっくり体験できるのが、BIRDING CAMPの醍醐味だろう。野外なら観察・撮影道具を常に手元に置きたいが、間に合わずに鳥を見逃したとしても、鳥と同じ空間にいることを楽しむ、そんな心の余裕をもちたい。

 早朝の鳥見に力を入れられることも、BIRDING CAMPならでは。キャンプ場から近い、とっておきのフィールドを訪れるもよし、コーヒーを片手に、キャンプ場でゆったり鳥を待つのもよい。お気に入りの観察・撮影道具とキャンプ道具をそろえ、野外で食べるとなぜか数段おいしい食事を楽しみながら、朝から晩まで鳥を楽しめるBIRDING CAMPは、ぜいたくなアウトドアレジャーだ。 (文●落合はるな)

 
ホオジロ(Meadow Bunting)(Y)
 
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