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2021年9月号

 

 
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コロナ禍が“追い風”となって、空前のキャンプブームが起きているそうだ。
確かに最近はどのキャンプ場も人であふれているという印象がある。
キャンプシーズンは夏鳥の観察適期と重なるわけだが、
ただでさえ見つけにくいサンコウチョウを、
にぎわうキャンプ場で見つけるなど可能なのだろうか?

 
キャンプ場で、サンコウチョウを“独り占め”したい!

 サンコウチョウといえば「月日星ホイホイホイ」と聞きなされる特徴的なさえずりや、尾羽の長い独特なシルエットが魅力的で、夏鳥としてトップクラスの人気を誇る。だが、夏のキャンプ場で比較的見る機会が多いキビタキやオオルリと比べると、1段以上ハードルが上がる“出会いにくい鳥”であるのは確か。だからこそ、今回のバーディングキャンプの本命に据える相手として不足はないわけだが、まず大前提として彼らの居場所をどうやって探すかという問題がある。この記事の本題でもあるから、そこら辺については後で触れる。

 サンコウチョウは人気の高さと出会いにくさが徒となり、一部の生息地(特に営巣場所)では、ひと目見ようと集まったバーダーたちで人垣ができるほど混雑する。人が多く集まれば、それだけ鳥にとっては大きなプレッシャーとなり、結果、営巣を放棄してしまったという悲しい報告もSNSなどでよく見かける。字面から受ける印象はよくないかもしれないが、“サンコウチョウを独り占め”とは、そのような状況を考慮した文言とご理解いただきたい。言うまでもなく、独り占めできるほどの場所ならば、鳥に大きなプレッシャーを与えずに観察できるということだ。それプラス、“独り占め”であるからには、喧騒とも無縁でなければならないが、キャンプブームの今、そんなキャンプ場はあるのだろうか?

 

キャンプ地周辺の地形図。中心部の破線(徒歩道)付近が針葉樹と広葉樹の混交林であることがわかる。沢も近い。サンコウチョウが生息しているのはこんな環境だ。地図記号がわからなければネット検索すべし。出典◎国土地理院発行2.5万分1地形図

 
キャンプ場の選び方

 最近は専用サイトからのネット予約が可能なキャンプ場が増えているが、手軽さからすぐに満員=区画が埋まってしまう傾向があり、予約が取れても現地は人であふれかえっていることが多い。季節や混雑状況にもよりけりとはいえ、鳥見前提なら、ネット予約できるキャンプ場は避けたほうがいいかもしれない。

 一方、電話予約のみを受け付けているキャンプ場は、比較的予約が取りやすい。敷地は小規模な場合が多いが、開拓されている面積が狭い分、森ややぶが近く、おのずと鳥との距離が縮まる。もともと収容人数が少なく、混雑しにくい点も大きなメリットだ。

 ホームページを開設していないキャンプ場もあるため、目的地を決めたらGoogleマップなどで「キャンプ場」と検索してみるといいだろう。今回は、そうして洗い出した中から、さらにサンコウチョウが生息していそうな環境であるかを基準に選別をくり返し、候補地を絞っていった。その際、役に立ったのが、小社から5月に発売された『BIRDER SPECIAL オオルリ キビタキ サンコウチョウ』だ。同書を読むと、サンコウチョウは「針広混交林」「林縁部に沢」といった環境を好むとあり、この2つをキーワードに、Googleマップ上に表示された沢沿いにあるキャンプ場をその都度、航空写真に切り替えながら、周囲が針広混交林(暗い色の針葉樹森と明るい色の広葉樹森が混在している森林)かどうかをチェックしていった。
 
小社刊『BIRDER SPECIAL オオルリ キビタキ サンコウチョウ』。オオルリ、キビタキ、サンコウチョウに関する情報・知識を1冊にまとめたBIRDERの「特別編」。
 
 ふだんからそうやって鳥を探すバーダーもいると思うが、そこにキャンプ場という制約を一つ設けることで、ゲームのようなおもしろさも加わる。現地で実際に目当ての鳥と出会えたとなれば、喜びもまた大きいはずだ。
 
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