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2021年9月号

 

 

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サンコウチョウは“決め打ち”で狙う鳥だ!(1)
 
 こうして選んだのは千葉県・房総半島の山間にあるキャンプ場。集落から離れた山あいの森の中にぽつんとあるような、まさしく喧騒と無縁の好立地で、車のエンジンを切れば、聞こえてくるのは沢の流れる音と虫の声、それと鳥たちのさえずりだけだ。谷筋を整地して造られたキャンプ地の周囲は木々に覆われた傾斜地になっており、コンサートホールのような音響効果があるのだろうか、美声で知られるオオルリのさえずりもいつも以上に上質な音色に感じた。
 
 
 キャンプスタイルは昨年の「BIRDING CAMPのススメ」(2020年9月号掲載)と同様、コロナ禍ですっかり定着した感のある“ソロキャン”とした。ソロスタイルの最大の利点は密を回避できることにほかならないが、1人用テントは設営も簡単なため、支柱同士がぶつかるなどで不意に大きな音を立ててしまうことが少ない。つまり、鳥を驚かせずに作業を済ませられるという、バーディングキャンプならではの利点もあるのだ。
 
 
 設営をひと通り終え、その間も止むことはなかったオオルリの歌声を今度は椅子に座ってじっくりと鑑賞させてもらった。一度腰を落ち着けると、付近にいるほかの鳥にも気づくようになる。巣立ち雛を連れたエナガの御一行がすぐ傍にやって来たり、耳を澄ますとキャンプ地に面したやぶからヤブサメのさえずりも聞こえる。姿こそ見えないが、声が近づいたり遠ざかったりするのは、やぶの中になわばりがあり、枝葉をくぐりながら周回しているからだろう。
 
オオルリ。明るい時間はほとんど絶え間なくさえずりを聞くことができた(S)
 
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