山野の野鳥

身近な野鳥図鑑 - 25種の身近な野鳥

身近な野鳥図鑑

街中から山地で見られる25種の野鳥

キジ(オス)の写真 キジ(メス)の写真
オス / メス
キジ
キジ目キジ科
Green Pheasant
Phasianus versicolor
留鳥
雄81cm,雌58cm
(カラスより大)
「ケッ ケッケーン」
種の解説
日本固有種で国鳥。本州以南の草地や農耕地などで見られ,雄の羽衣は鮮やか。地面で種子や昆虫を食べ,危険を感じると走って逃げる。
見どころ
春〜初夏に羽ばたきながら「ケッ,ケーン」と鳴く「ほろ打ち」をする
繁殖期になると,雄の顔の赤い部分が大きくなる
写真エリア
キジバト
ハト目ハト科
Oriental Turtle Dove
Streptopelia orientalis
留鳥
33cm
「デデポー デデポォー ポォー」
種の解説
全国で見られ,市街地~山地まで広く生息する。雌雄同色で一年中つがいでいることが多い。木の実や昆虫などを食べる。
見どころ
水面に嘴をつけたまま,水を飲み続けられる
おなじみの「デデーポポー」ではなく,「プン」「ブウ」と聞こえる声で鳴くことがある
写真エリア
キジバト
ハト目ハト科
Oriental Turtle Dove
Streptopelia orientalis
留鳥
33cm
「デデポー デデポォー ポォー」
種の解説
全国で見られ,市街地~山地まで広く生息する。雌雄同色で一年中つがいでいることが多い。木の実や昆虫などを食べる。
見どころ
水面に嘴をつけたまま,水を飲み続けられる
おなじみの「デデーポポー」ではなく,「プン」「ブウ」と聞こえる声で鳴くことがある
写真エリア
トビ
タカ目タカ科
Black Kite
Milvus migrans
留鳥
60cm
(カラスより大)
「ピィーヒョロロロ…」
種の解説
全国の海岸~山地で見られるタカで,雌雄同色で尾羽は広げるとバチ型だが,閉じると凹型。昆虫から動物の死がいまでなんでも食べる。
見どころ
ふだんはゆったりと帆翔するが,食べ物を見つけると急降下する
海沿いの漁港などで大きな群れをつくる
写真エリア
コゲラ
キツツキ目キツツキ科
Japanese Pygmy Woodpecker
Yungipicus kizuki
留鳥
15cm
(スズメくらい)
「ギィー」「キッキキキキ」
種の解説
全国の平地~低山の林で見られる。冬はカラ類などと1つの集団(混群)をつくって行動する。雌雄ほぼ同色で,樹皮下の虫などを食べる。
見どころ
雄の後頭には数枚だけ赤い羽がある(見えないことが多い)
アカゲラなどに比べるとかなり音は小さいが,ドラミングをする
写真エリア
チョウゲンボウ
ハヤブサ目ハヤブサ科
Common Kestrel
Falco tinnunculus
留鳥/冬鳥
35cm
(ハトくらい)
「キィーキィキィキィ」
種の解説
全国に生息し,冬鳥としても渡来する。農耕地や河川敷のほか,街なかでも見られる。ネズミや昆虫を捕食する。雄の頭や尾羽は青灰色。
見どころ
羽ばたきながら空中の一点にとどまるホバリング(停空飛翔)が見られる
駅前のビルなど,街なかでも見られることがある
オスの写真
メスの写真
オス / メス
モズ
スズメ目モズ科
Bull-headed Shrike
Lanius bucephalus
留鳥
20cm
(スズメより大)
「キィーキィー」
種の解説
全国に生息。開けた場所を好み,獲物に捕らえた小動物を枝などに刺して保存する。雄は翼に白い斑があり,顔の模様もはっきりしている。
見どころ
止まっているとき,尾羽を上下左右にクルクル回す。
ほかの鳥の鳴き真似をすることがある(百舌鳥の由来)
写真エリア
ハシボソガラス
スズメ目カラス科
Carrion Crow
Corvus corone
留鳥
50cm
(ハシブトカラスより小)
「ガァーガァー」
種の解説
九州以北に生息。農耕地や郊外などハシブトガラスより開けた環境で見られる傾向がある。雑食性だが植物質をよく食べる。雌雄同色。
見どころ
鳴き声は「ガァーーガァー」と濁る。足を交互に出す「ウォーキング」で地上を移動する
鳴くときに頭を上下させ,下腹や背の羽を逆立てる
写真エリア
ハシブトガラス
スズメ目カラス科
Large-billed Crow
Corvus macrorhynchos
留鳥
57cm
「カァーカァー」「ア-アー」
種の解説
ほぼ全国の海岸から山地,街なかから森林まで広く見られる。雑食性で何でも食べる。集団ねぐらをつくり,夜はそこに集まる。雌雄同色。
見どころ
鳴き声は「カァーカァー」とすんでいる。地上を移動するときは「ホッピング」「ウォーキング」両方する
額があまり出っ張らず,ハシボソガラスと間違えそうな個体もいる(主に幼鳥)
写真エリア
ヤマガラ
スズメ目シジュウカラ科
Varied Tit
Sittiparus varius
留鳥
14cm
(スズメくらい)
「ニーニー」「ツツピーツツピーツツ」
種の解説
全国の平地から山地の林に生息。昆虫や木の実を食べ,冬は木の実を土中などにため込む。雌雄同色で繁殖期以外は小さな群れで過ごす。
見どころ
エゴノキの実が大好物。両足で押さえて食べる
シジュウカラとは異なる「ニーニー」という声で鳴く
オスの写真
メスの写真
オス / メス
シジュウカラ
スズメ目シジュウカラ科
Japanese Tit
Parus cinereus
留鳥
15cm
(スズメくらい)
「ツピィ」「ツピツピ」
種の解説
全国の平地から山地の林に生息し,街なかの街路樹でも見られる。昆虫類や木の実を食べる。胸のネクタイ模様が雌雄で異なる。
見どころ
高い言語能力をもち,いろいろな声で仲間に集合や外敵の接近を伝える
胸のネクタイ模様は雄が太く(足の付け根まで伸びる),雌は細い
写真エリア
ヒヨドリ
スズメ目ヒヨドリ科
Brown-eared Bulbul
Hypsipetes amaurotis
留鳥
28cm
(ムクドリより大)
「ピーヨ」「ヒーヨ」
種の解説
日本全国の平地から山地に生息するが,日本周辺でしか見られない。雌雄同色で「ピーヨ」などど鳴く。雑食性でなんでも食べる。
見どころ
ツバキなどの花粉がついて,嘴が黄色く見えることがある
短時間だがホバリングして木の実や花の蜜を採食できる
写真エリア
ツバメ
スズメ目ツバメ科
Barn Swallow
Hirundo rustica
夏鳥
17cm
(スズメより大)
「チョチュチョチュビィー」
種の解説
春に九州以北に渡来する。人家の軒先などに泥や草で巣をつくる。飛び回りながら空中で昆虫などを捕らえる。雌雄は尾羽で見分ける。
見どころ
雄と雌では尾羽(燕尾)の長さが異なる
繁殖が終わった夏,ヨシ原などに大群でねぐらをつくる
写真エリア
ウグイス
スズメ目ウグイス科
Japanese Bush Warbler
Horornis diphone
留鳥
14~16cm
(スズメより大)
「ホーホケキョ」「チャッチャッ」
種の解説
ほぼ全国の平地から山地で見られる。やぶの中を移動して昆虫などを食べる。さえずりのほか「チャッチャッ」という地鳴きもよく発する。
見どころ
雌雄でサイズに差があり,雄のほうがひとまわり大きい
早春〜秋口までさえずり「ホーホケキョ」が聞こえることがある
写真エリア
エナガ
スズメ目エナガ科
Long-tailed Tit
Aegithalos caudatus
留鳥
14cm
(スズメより小)
「ジュリリリ…」「チリリリ…」
種の解説
九州以北に生息し,シマエナガは北海道の亜種。平地から山地の林で見られ,昆虫などを食べる。短い嘴と長い尾羽が特徴。雌雄同色。
見どころ
「ジュリジュリ」という声を発しながら,群れで移動することが多い
成鳥の眼の上(眼瞼輪)は黄色で,幼鳥は赤色
写真エリア
メジロ
スズメ目メジロ科
Warbling White-eye
Zosterops japonicus
留鳥
12cm
(スズメより小)
「チィー」「チィチョチューチュルル」
種の解説
ほぼ全国の平地から山地に生息。庭木や街路樹でも見られる。雌雄ほぼ同色で昆虫や木の実のほか,花の蜜なども吸う。
見どころ
目の周りの白いアイリング(白輪)が特徴
「チィーチョー」という鳴き声から別名「長兵衛・忠兵衛・千代兵衛」とも呼ばれる
写真エリア
ムクドリ
スズメ目ムクドリ科
White-cheeked Starling
Spodiopsar cineraceus
留鳥
24cm
「ギュル」「チッ」
種の解説
ほぼ全国で見られる。街なかにも生息し,夜は大群となって飛び回る。地上を歩いて昆虫類を食べるほか,木の実もよく食べる。
見どころ
雌雄ほぼ同色だが,雄のほうが全体的に色が濃い
大群をつくるが,その中にコムクドリなど,別のムクドリが混じることがある
オスの写真
メスの写真
オス / メス
ツグミ
スズメ目ツグミ科
Dusky Thrush
Turdus eunomus
冬鳥
24cm
(ムクドリくらい)
「クワッ…」「キョッ…」
種の解説
全国に冬鳥として渡来。平地から山地の林のほか,公園や農耕地でも見られる。地上をはね歩き,地面の昆虫などを食べる。
見どころ
雌雄を比べると雄のほうが羽色がハッキリしている
地上を歩くとき,数歩歩いて立ち止まることがよくある
写真エリア
オオルリ
スズメ目ヒタキ科
Blue-and-white Flycatcher
Cyanoptila cyanomelana
夏鳥
16cm
(スズメより大)
「ヒィーチューピィー ジィジィ」
種の解説
九州以北に夏鳥として渡来。平地から山地の,近くに川があるような林で見られる。雄は特定の樹上でさえずる。雌は全体に淡い褐色。
見どころ
さえずるときは木のてっぺんに止まることが多い
雄成鳥の頭のてっぺんは光沢があり,白っぽく見えることがある
オスの写真
メスの写真
オス / メス
キビタキ
スズメ目ヒタキ科
Narcissus Flycatcher
Ficedula narcissina
夏鳥
14cm
(スズメくらい)
「ピィチュリィ ピピリィ」
種の解説
九州以北に夏鳥として渡来。平地から山地の林で見られる。枝に止まって葉上や空中の虫を捕らえる。雌は全体にオリーブ褐色。
見どころ
木のてっぺんではなく,少し下の枝で見つかることが多い
雄はツクツクボウシなどほかの生物の鳴き真似をする
オスの写真
メス(または若いオス)の写真
オス / メス(あるいはオスの若い個体)
ルリビタキ
スズメ目ヒタキ科
Red-flanked Bluetail
Tarsiger cyanurus
冬鳥
14cm
(スズメくらい)
「ヒッヒッ」(冬)
種の解説
亜高山帯で繁殖し,冬は平地で越冬する。平地から山地の少し暗い林で見られる。雌と若い雄はよく似ており,見分けるのは難しい。
見どころ
青い姿の雄にもバリエーションがあり,青が濃い成長雄は少ない
「ヒッヒッ」という地鳴きはジョウビタキと似るが,少し低音気味
オスの写真
メスの写真
オス / メス
ジョウビタキ
スズメ目ヒタキ科
Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
冬鳥
14cm
(スズメくらい)
「ヒッヒッ カッカッ」(冬)
種の解説
全国に冬鳥として飛来するが,近年は繁殖例も増えている。街なかから山地の林や開けた場所で見られる。雌は全体に褐色気味。
見どころ
雄も雌も翼に白い班がある
鏡に映った自分の姿に向けて攻撃することがある
オスの写真
メスの写真
オス / メス
イソヒヨドリ
スズメ目ヒタキ科
Blue Rock Thrush
Monticola solitarius
留鳥
23cm
(ムクドリくらい)
「ヒチョー チョピィチ ジュジュ」
種の解説
ほぼ全国に生息し,海岸から街なかまで見られる。地面を歩いて大形の昆虫やトカゲなどを食べる。雌は全体に灰褐色のうろこ模様。
見どころ
トカゲやムカデなど,割と大きめの小動物も捕食する
都市鳥化が著しく,街なかでも美しいさえずりが聞こえる
写真エリア
スズメ
スズメ目スズメ科
Eurasian Tree Sparrow
Passer montanus
留鳥
14cm
「チュン」「ジュクジュ」
種の解説
ほぼ全国に生息。街なかから山地まで人家のあるところで見られる。繁殖期以外は群れで過ごし,昆虫や種子を食べる。雌雄同色。
見どころ
公園の砂場などで砂浴びをするので,その痕跡が凹みとなって残る
嘴基部の色は季節変化し,基部が黄色の成鳥もいる
写真エリア
カワラヒワ
スズメ目アトリ科
Grey-capped Greenfinch
Chloris sinica
留鳥
15cm
(スズメくらい)
「チュイーン」「キリキリキリ」
種の解説
ほぼ全国に生息。平地から山地の林や農耕地で見られ,冬は群れをつくることが多い。種子を主に食べる。雄のほうが羽色が濃い。
見どころ
飛ぶと翼の黄色の部分がよく目立つ
「キリキリキリ」だけでなく,「ビーン」という声も出す
写真エリア
ホオジロ
スズメ目ホオジロ科
Meadow Bunting
Emberiza cioides
留鳥
17cm
(スズメより大)
「チチチッ」「チュッピン チュチュッ チュー」
種の解説
ほぼ全国に生息。平地から山地で見られ,開けた場所を好む。昆虫や種子などを食べる。雌は雄より顔の模様が淡い。
見どころ
ほかのホオジロ類にはない「チチッ」「チチチッ」と2〜3連音の地鳴きを出す
「一筆啓上仕り候」「札幌ラーメン味噌ラーメン」とさえずりの聞きなしのバリエーションが多い