水辺の野鳥

水辺の野鳥図鑑 - 15種の水辺で見られる野鳥

水辺の野鳥図鑑

川や池、海岸で見られる15種の野鳥

カルガモの写真
カルガモ
カモ目カモ科
Eastern Spot-billed Duck
Anas zonorhyncha
留鳥
61cm
(カラスより大)
「グエッ グエッ」
種の解説
全国に生息し,河川や池,海岸などで見られる。日中は休息していることが多い。雌雄同色で植物の種などを食べる。
見どころ
雄の上下尾筒は雌より黒い
国内で見られるカモでは唯一,嘴の先端が黄色
マガモのオスの写真
オス
マガモのメスの写真
メス
マガモ
カモ目カモ科
Mallard
Anas platyrhynchos
冬鳥
59cm
(カラスより大)
「グエッ グエッ」
種の解説
冬に全国に渡来し,河川や池などで見られる。日中は休息していることが多い。雌は茶褐色の地味な姿。植物の種などを食べる。
見どころ
先がカールした雄の尾羽はカモ類の中では珍しい特徴
雄の頭の光沢は光の当たり方で緑~青とさまざまに変わる
コガモのオスの写真
オス
コガモのメスの写真
メス
コガモ
カモ目カモ科
Eurasian Teal
Anas crecca
冬鳥
38cm
(ハトより大)
「ピリッ ピリッ」
種の解説
冬に全国に渡来する。日本産のカモの中では最小。広い水面より木で覆われた狭い水面などに多い。雌は地味な姿。植物の種などを食べる。
見どころ
春先になると1羽の雌を雄が集団で囲んで泳ぎ回るディスプレイが見られる
カモ類の中では冬に日本に渡ってくるのがいちばん早い
バンの写真
バン
ツル目クイナ科
Common Moorhen
Gallinula chloropus
留鳥
32cm
(ハトくらい)
「キュル」「クルル」
種の解説
本州北部より北では夏鳥。池や河川などで見られる。雌雄同色で泳ぐことも歩くことも得意。水草などのほか,昆虫なども食べる。
見どころ
泳いだり歩いたりして尾羽を持ち上げると,白い羽が目立つ
オオバンのように趾に水かきはないが上手に泳ぐ
オオバンの写真
オオバンの足の拡大の写真
足の拡大
オオバン
ツル目クイナ科
Eurasian Coot
Fulica atra
留鳥
39cm
(ハトより大)
「キュン」「ピィッ」
種の解説
ほぼ全国の池や河川,海岸などで見られ,近年急増した。雌雄ほぼ同色だが,雄のほうが額の白い部分が大きい。水草や昆虫などを食べる。
見どころ
嘴以外全身黒く見えるが,実は次列風切の先端が白い
額の白い額板は,幼鳥より成鳥,雌より雄のほうが大きい
カイツブリの写真
カイツブリ
カイツブリ目カイツブリ科
Little Grebe
Tachybaptus ruficollis
留鳥
26cm
(ムクドリより大)
「キュッ」「キィリリリ…」
種の解説
全国に生息し,池や河川で見られる。雌雄ほぼ同色でつがいで見られることが多い。よく潜水して小魚やエビなどを捕らえる。
見どころ
雛の見た目は親とかなり違う
魚以外にもエビやザリガニなど,いろいろ潜水して捕らえる
カンムリカイツブリの夏羽の写真
夏羽
カンムリカイツブリの冬羽の写真
冬羽
カンムリカイツブリ
カイツブリ目カイツブリ科
Great Crested Grebe
Podiceps cristatus
留鳥
56cm
(カラスくらい)
「ガガ…」
種の解説
本州以北で繁殖し,本州以南で越冬する。池や河川のほか,冬は海上で見ることも多い。泳いでいると胴体が沈んで見える。雌雄同色。
見どころ
日本のカイツブリ類の中では最大だが,よく潜る
冬は白っぽい姿だが,春に首にオレンジと黒の飾り羽が出る
コチドリの写真
コチドリ
チドリ目チドリ科
Little Ringed Plover
Charadrius dubius
夏鳥
16cm
(スズメくらい)
「ピィ」「ピョピョ…」
種の解説
九州以北で夏鳥。河川や水田などで見られ,地面を小走りして昆虫類を食べている。メスは顔の黒い部分に少し褐色味がある。
見どころ
目の周りの黄色のリングがよく目立つ
翼を広げても,白い帯はほとんど見えない
チュウシャクシギの写真
チュウシャクシギ
チドリ目シギ科
Whimbrel
Numenius phaeopus
旅鳥
42cm
(ハトより大)
「ピピピピピピピ」
種の解説
春と秋に全国の干潟や水田などに渡来する。雌雄同色で長く下に曲がった嘴が特徴。顔を通る線がはっきりしている。カニをよく食べる。
見どころ
飛ぶと背中から尾羽の付け根にかけて白い部分がある
「ピピピピピピピ」と7音で鳴く
ハマシギの夏羽の写真
夏羽
ハマシギの冬羽の写真
冬羽
ハマシギ
チドリ目シギ科
Dunlin
Calidris alpina
旅鳥/冬鳥
21cm
(スズメより大)
「ピリー」「ピュル」
種の解説
全国の海岸で春と秋に見られ,越冬することもある。砂地を走り回って貝やゴカイなどを食べる。雌雄同色で,嘴は少し下に曲がる。
見どころ
夏羽は腹部が黒い独特の模様になる
大きな群れをつくり,集団で一糸乱れない飛翔(群飛)をする
イソシギの写真
イソシギ
チドリ目シギ科
Common Sandpiper
Actitis hypoleucos
留鳥
20cm
(スズメより大)
「チーリリ…」「ピィー」
種の解説
全国の河川や海岸などで見られ,護岸された川でも見られる。腰を上下に振りながら歩き,水辺の昆虫を食べる。雌雄同色。
見どころ
翼をやや下げ気味に,小刻みに震わせながら水面すれすれを飛ぶ
飛ぶと翼の白い帯がよく目立つ
ユリカモメの写真
ユリカモメ
チドリ目カモメ科
Black-headed Gull
Chroicocephalus ridibundus
冬鳥
40cm
(ハトより大)
「ギィー」
種の解説
全国の河川や海岸などに渡来する。小形カモメの中では最もよく見られる。フワフワと飛び,小魚などを食べる。雌雄同色。
見どころ
冬は頭が白いが,夏になると頭が真っ黒になる
嘴と足は成鳥だと鮮やかな赤色,若鳥はオレンジ色
ウミネコの写真
ウミネコ
チドリ目カモメ科
Black-tailed Gull
Larus crassirostris
留鳥
47cm
(ハトより大)
「ミャー」「アー」
種の解説
ほぼ全国の海岸や河川で見られる。一年中群れで暮らし,「ミャー」という猫のような声が名前の由来。魚やゴカイなどを食べる。雌雄同色。
見どころ
成鳥で尾羽の先が黒いのは本種だけ
成鳥の嘴は赤・黒・黄色とけっこうカラフル
セグロカモメの写真
セグロカモメ
チドリ目カモメ科
Vega Gull
Larus vegae
冬鳥
61cm
(カラスより大)
「アーゥ」
種の解説
冬鳥として全国の海岸に渡来。ほかの大形カモメと大群をよくつくる。主に魚を食べる。雌雄同色だが,若い個体は他種との識別が難しい。
見どころ
成鳥は黄色の嘴の先のあたりに小さな赤い斑点がある
成鳥の夏羽の頭は真っ白で,冬羽はまだら模様
コアジサシの写真
コアジサシ
チドリ目カモメ科
Little Tern
Sternula albifrons
夏鳥
24cm
(ムクドリくらい)
「キリィキリィ」
種の解説
本州以南に渡来する。海岸のほか,河川や埋め立て地などでも見られる。空中からダイビングして魚を捕らえる。雌雄同色。
見どころ
ホバリング(停空飛翔)から水中に飛び込んで小魚を捕らえる
繁殖の前には求愛給餌が見られる
カワウの写真
カワウ
カツオドリ目ウ科
Great Cormorant
Phalacrocorax carbo
留鳥
81cm
(カラスより大)
「グルルル…」「コァコァ」
種の解説
ほぼ全国に生息する。河川や海岸などで見られ,大きな群れをつくることが多い。主に魚を食べ,繁殖期は後頭部が白い。雌雄同色。
見どころ
嘴の付け根(口角)はとがっていない
水面を助走して飛び立つとき,両足をそろえて跳ねる
ゴイサギの成鳥の写真
成鳥
ゴイサギの幼鳥の写真
幼鳥
ゴイサギ
ペリカン目サギ科
Black-crowned Night Heron
Nycticorax nycticorax
留鳥
57cm
(カラスくらい)
「ゴァ ゴァ」
種の解説
ほぼ全国に生息する。河川や池などで見られ,夕暮れから活動し,魚やカエルなどを食べる。雌雄同色で成鳥は頭の白い2本の冠羽が目立つ。
見どころ
夜間に鳴きながら飛ぶ「夜鴉(よがらす)」の異名をもつ
幼鳥のホシゴイから成鳥まで4年かかるので,いろいろな成長段階の個体がいる
アオサギの写真
アオサギ
ペリカン目サギ科
Grey Heron
Ardea cinerea
留鳥
93cm
(カラスより大)
「ゴワッ」
種の解説
ほぼ全国の水辺で見られる。大形のサギ類で,ツルと間違われることもある。魚やネズミなど動物質なら何でも食べる。雌雄同色。
見どころ
春に嘴や足が赤い,鮮やかな婚姻色が見られる
翼を乾かすとき,翼の裏面を上に向ける独特のポーズをする
ダイサギの写真
ダイサギ
ペリカン目サギ科
Great Egret
Ardea alba
留鳥
89cm
(カラスより大)
「ゴワッ」「ガァァァ」
種の解説
ほぼ全国の水辺で見られるが,夏と冬で見られる亜種が異なる。雌雄同色で日本で見られる「シラサギ」では最大。主に魚を食べる。
見どころ
嘴の色が夏は黒で冬は黄色
足(すねの部分)が黄白色の亜種ダイサギと,黒色の亜種チュウダイサギがいる
コサギの写真
コサギ
ペリカン目サギ科
Little Egret
Egretta garzetta
留鳥
61cm
(カラスより大)
「ガァー」
種の解説
本州以南の水辺で見られる。雌雄同色で趾が黄色いのが特徴。夏は頭の白い2本の冠羽が目立つ。近年減少が心配されている。
見どころ
獲物を探すとき,足先を水中で小刻みに震わせる
婚姻色のとき,眼先と趾の黄色は赤色になる
ミサゴの写真
ミサゴ
タカ目ミサゴ科
Eurasian Teal
Pandion haliaetus
留鳥
57cm
(カラスくらい)
「ピョピョ…」
種の解説
ほぼ全国の海岸や大きな池,ダム湖などで見られる。ほぼ魚食のタカで,大形の魚も捕らえる。雌雄は胸の帯で見分けられる。
見どころ
水面上空でのホバリングから一気に急降下して魚を捕らえる
胸の褐色の帯は雌で太く,雄や幼鳥は細い
カワセミのオスの写真
オス
カワセミのメスの写真
メス
カワセミ
ブッポウソウ目カワセミ科
Common Kingfisher
Alcedo atthis
留鳥
17cm
(スズメより大)
「チッ」「チッツー」
種の解説
全国の河川や池などで見られ,都市河川でも生息することがある。魚やエビなどを食べ,「チー」と鳴きながら飛ぶことが多い。
見どころ
雌雄で嘴の色が違い,雌の下嘴はオレンジ〜赤色
羽の色は構造色なので,光の当たり具合で青〜青緑〜緑と変わる
キセキレイの写真
キセキレイ
スズメ目セキレイ科
Grey Wagtail
Motacilla cinerea
留鳥
20cm
(スズメより大)
「チチンチチン」「ツィツィツィ チョィチョィ…」
種の解説
ほぼ全国の河川の上流部で見られるが,冬は平地で越冬することもある。水辺を歩いて昆虫やクモなどを食べる。夏羽だと雄ののどが黒い。
見どころ
渓流の鳥のイメージだが,冬は街なかの公園でも見られる
さえずりには長短の2種類ある。長いほうのさえずりは節回しが複雑
ハクセキレイの写真
ハクセキレイ
スズメ目セキレイ科
White Wagtail
Motacilla alba
留鳥
21cm
(スズメより大)
「チチッ」「チュイチュイ…」
種の解説
全国の河川などのほか,駐車場といった人家そばで見ることもある。背の色が雄は黒で雌は灰色。地面の昆虫などを食べる。
見どころ
なわばり意識が強く,鏡に映った自身の姿を攻撃することがある
冬羽は背の色が夏羽より淡い
セグロセキレイの写真
セグロセキレイ
スズメ目セキレイ科
Japanese Wagtail
Japanese Wagtail
留鳥
21cm
(スズメより大)
「ジジッ」「ツツチュジュジュジュウ」
種の解説
ほぼ日本固有種(韓国の一部で繁殖)。河川に生息し,ハクセキレイと同所で見られることもある。雌雄同色で地面の昆虫などを食べる。
見どころ
濁った「ジジッ」という声だけで,ハクセキレイの「チチッ」と識別可能
歩いていると見えにくいが,外側の尾羽2枚は白い