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10月 タカの渡り
11月 冬のアシ原
12月 雑木林で野鳥
中野さんからのメール
ヒヨ吉読者の広場

 

中野さんからメールをいただきました!


読者の皆様、BIRDER編集部のヒヨ吉です。

なんと! 「1年で120種類の野鳥と出会える本」の著者、中野泰敬さんからメールをいただきました!
\(^o^)/



「達成率」だけでなく、鳥のすむ環境の違いや生態にも目を向けてください


ヒヨ吉様へ「1年で120種の野鳥に出会える本」の著者、中野泰敬です。

この本で「よし、1年で120種の野鳥を見てみよう」、それが達成できるかどうかは別にして、チャレンジしてくれる人がいることはとても喜ばしいことだと思います。

ヒヨ吉さんの今までの達成率は70〜80%ぐらいで、このペースだと1年で約100種類でしょうか。まずは上出来と言ってよいでしょう。野鳥との出会いはタイミングが大事ですし、偶然性の強いものです。同じ場所に、同じ時間に出向いても昨日は見られたけど、今日は見られなかった、なんてことはよくあることです。

ヒヨ吉さんは100%を目標にされているようですが、ただガツガツしていては鳥も嫌がって逃げてしまいます。


 



まず野鳥についてもう少し知っておきましょう。



 


野鳥は1年を通して見られる留鳥と夏の間だけ見られる夏鳥、冬を越す冬鳥、そして春と秋の渡りのときだけに 見られる旅鳥に分けられます。留鳥と夏鳥の 繁殖期は、おおよそ4月から7月まで。この時期がもっとも活動的になるときです。夏鳥は5月ごろから姿を見せ始めるので、山地、河原は5月からの3か月が見ごろです。


高原や高山は 標高が高いので6月からの3か月でも大丈夫でしょう。冬鳥は10月の中旬ごろから姿 を見せ始め、3月ごろまで見ることができます。ピークは12月から3月といったところです。旅鳥は春では4月から5月、秋は8月から9月が見ごろです。鳥見のよい時期には幅があることを覚えておいてください。


 


また、関東には相模川、多摩川、荒川など大きな河川が何本か流れていますが、河原の様子や周辺の環境はどれも違います。環境が違えばそこで見られる野鳥の種類も違います。また同じ河川でも上流・中流・下流で環境が異なり、見られる種類が変わってきます。

時期と行く場所を変え、何回か足を運んでみるとより多くの野鳥に会えるでしょう。何回か同じ場所を訪れても、新しい野鳥の発見もあるかもしれないし、くり返し同じ野鳥を見ることで、しっかり覚えることができるはずです。




あと半年、ヒヨ吉さんのがんばりを期待しています。100%達成したときはぜひ連絡してください。しかし100%達成することを目的にしないでくださいね。バードウォッチングは自然の中で鳥を探すことが楽しいのです。そうすることによって虫や花や木々にも目がいくようになるし、季節の移り変わりを感じることができるのです。バードウォッチングは自然の素晴らしさを知る手段だと思ってもらえるとうれしいです。


「1年で120種類の野鳥と出会える本」は、少しでも多くの方が野鳥に興味をもってくれたら、また野鳥に興味をもっているのです。いつ、どこへ行ったらよいかわからない人が手にでき るようにと、そんな思いで作った本です。野鳥を自分で探せるようになると、野鳥に対する興味はいっそう増してきます。この本には1年で120種という 題がついていますが、この本によって10種でも20種でもわかってもらえればそれでよいと思っております。

「1年で120種類の野鳥に出会える本」著者:中野泰敬




中野さん、貴重なご意見をありがとうございました。

中野さんのおっしゃる通り、目標種の達成や確認数を増やすことばかりでなく、生態や環境の違いをきちんと見つめ、鳥たちの側に立ったバードウォッチングを心がけ、鳥たちの生息環境に足を運ぶことによって、季節の移り変わりを感じていきたいと思います。また、ほかの生き物たちにも今以上に目を向けて、自然のすばらしさも皆さんにお届けしたいと思います。


 


ヒヨ吉はこの半年、数字を気にしすぎていたかもしれません。多くの鳥たちに出会うことを目標とはしたいと思いますが、謙虚な気持ちで鳥見に出かけていきたいと思います。中野さん、ご指導ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

2006年7月:ヒヨ吉

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