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まえがき
1月 池や湖沼で
2月 海辺で
3月 家の周りで
4月 干潟や田んぼで
5月 新緑の山地で
6月 河原で
7月 高原で
8月 高山で登山
9月 田んぼで・秋
10月 タカの渡り
11月 冬のアシ原
12月 雑木林で野鳥
中野さんからのメール
ヒヨ吉読者の広場

 

1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか?


12月は「散歩がてら雑木林で野鳥を探してみよう」


      場所:神奈川県横浜市戸塚区舞岡公園
日付:2006年12月29日(月)


HIYO-KICHI THE FINAL 2006

読者の皆さん、こんにちは。BIRDER編集部のヒヨ吉です。

いよいよ最後となった2006年ウェブ限定企画「1年で120種類の野鳥と出会える本」。12月は雑木林での野鳥観察ということで、舞岡公園(横浜市戸塚区)へ行ってきました。横浜市営地下鉄「舞岡」駅から徒歩でも行ける便利な公園です。

園内の道はとてもよく整備されていて歩きやすいです。しかも、どことなく懐かしい雰囲気が漂う空間。ここが横浜かと疑いたくなるようなすてきな雑木林です(写真1)。


写真1:風が少し冷たかったのですが、気持ちのよい園内です


まず出迎えてくれたのはメジロ(写真2)。この1年、何度も出会ったメジロですが、ちょこまかと動き回るので、まともな写真は1枚も撮れませんでした(苦笑)。


写真2:メジロ


園内の案内地図を見ると、谷戸があるとのこと。谷戸とは、丘陵地の谷間などをさす環境のことを言います。

2006年のBIRDER本誌で連載していたビオトープ管理士資格取得の勉強で、谷戸はとても生き物が多い場所だと学んだヒヨ吉は、まずそこを目指すことにしました(ヒヨ吉は、見事ビオトープ管理士に合格しました! パチパチパチ\(^o^)/)。

横浜に、こんなすてきな谷戸があるなんて奇跡のようにさえ思えました(写真3)。湧き水の管理や稲作などもたいへんだと思いますが、ずっと残っていてほしい風景です。


写真3:美しい谷戸の風景です


比較的暖かいと感じていた当日ですが、田んぼの日陰には薄い氷が張っていました。寒い冬だからこその自然の芸術に、思わずヒヨ吉はシャッターを切ってしまいました(写真4)。


写真4:田んぼの日陰で見つけた薄い氷


そんな田んぼでウキウキ・ワクワクの時間を過ごしていると、どこからともなく、口笛で「フイフイ」と吹くような声が聞こえてきました。この声、どこかで聞いたことがあるぞ。うーん……。あ! 白駒池(第8回)で聞いたあれだ、あれ。そうそう、ウソだ! でもここは横浜。どうしてこんなところにウソがいるの?

周囲を探すとウツギの実を夢中で食べる鳥の群れを発見(写真5)。寒いからか、ムクムクしててかわいい! ほっぺのピンクがウソだと教えてくれました。


写真5:ウツギの実を食べるウソの群れ


驚かせてはいけないと思い、ずっと離れて見ていましたが、双眼鏡を持ったおじさんが「あそこのウソは人をあまり怖がらないから、そーっと近づけばそばまで寄れますよ」と教えてくれました。

白駒池では写真が撮れなかったウソ。おじさんのいう通りにそーっと近づき、見事、写真を撮りました (^_^)v(写真6)。


写真6:頬のピンクがかわいい! これは雄


そのおじさんによると、ウソは「漂鳥(ひょうちょう)」と言って、夏の間は高山などにいて、冬になると里の方に降りてくるのだそうです。なるほど、だから冬の舞岡公園でも見られるのか。いいことを教えてもらいました。来年の冬もウソに出会いに来たいなぁ。

カメラを置いて、どれくらいまで寄れるかを調べてみたところ、ウツギの実を食べているプチプチという音が聞こえるくらいまで寄れました。だいたい5mくらいの近さです。こんなに近づけるなんてちょっとびっくりしました。ここのウソは、人を怖がらないんですね。

そんなウソたちに別れを告げて、園内をウロウロしていると、ハンノキの林のあるところに人がいっぱいいるのが見えました。高そうなカメラやデジスコが並んでいるので、どうやら鳥がいるようです。何だろう? するとご婦人が、「あなたはもうアオシギは見たの?」とヒヨ吉に聞いてきました。

アオシギ? あの、渓流で見られるというアオシギが舞岡公園にいるの? とヒヨ吉は半信半疑。でも、いましたよ、アオシギ!(写真7)


写真7:頭を上下させながら餌を採るアオシギ。周りの色に溶け込んでいます。驚きの保護色


こんな鳥がいることもスゴイですが、それを初めに見つけた人もすごいですよね。

アオシギの保護色に見とれていたら「こっちも見ておいたほうがいいですよ」と、近くにいたおじさんが望遠鏡をのぞかせてくれました。しかし、ヒヨ吉には一体何が入っているのかがわかりません。え? この中に何かいるのですか?(写真8)


何も見えません…
あっ! いました!
写真8:この中に何かがいるみたい


教えてもらった鳥はアリスイ。キツツキの仲間で、これまたすごい保護色。それにしてもよく見つけるなぁ。舞岡公園のバードウォッチャーの皆さんの目はどんなふうになっているのかが、ヒヨ吉の一番興味深いことです。

保護色の魅力に引き込まれたヒヨ吉。今度はじっとしていたモズを発見しました! でも、これは簡単かな〜(笑)(写真9)。


写真9:茂みの下の方を見つめていたモズ。黒いサングラスのような模様がないので雌ですね


モズが飛び去った後には、甲高い「ヒッ、ヒッ、」という声が響きました。先月もこの声は聞きました。ジョウビタキです。オレンジ色のきれいな雄の姿をばっちり観察できました(写真10)。


写真10:ジョウビタキの雄。定位置なのか、地面に飛び降りた後にお気に入りの? この場所に戻って来ていました


アオシギのいた湿地を再度のぞき込むとアカハラとハクセキレイが仲よく? 餌を採っています(写真11)。その後、ハクセキレイはすぐそばの電線に止まって大サービス!(写真12)。


写真11:左がアカハラ、右がハクセキレイ

写真12:普通種のハクセキレイですが、青い空とのコントラストがきれいでした


しばらく園内をうろうろすると、ツグミやシロハラも見られました(写真13、14)。畑のような場所を好むツグミと暗い林を好むシロハラの違いを確認できました。


畑のような場所を好むツグミ
畑の畔にしばらく止まってのんびりしていました。ツグミの顔は角度によって表情が変わるので、見ていて飽きないですね
写真13:ツグミ

写真14:暗い林を好むシロハラ


ツグミのいた小さな谷間の奥に池があり、そこにはカワセミがいました。カワセミの逆光撮影をねらったところ、2006年のベストショットに近い、いい雰囲気の写真が撮れました (^o^)!(写真15)


写真15:ヒヨ吉渾身の一作。散歩していたおじさんが私のカメラの液晶画面を見て「なかなかいい写真撮るねぇ」とほめてくれました。うれしかったぁ〜!


そんな写真に満足しながら舞岡公園での観察を終了。
この日、新しく増えた種類は3種類。この1年で観察できた野鳥は一体何種類になるのでしょう。わくわく、どきどきです。


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結果、この1年で観察した野鳥は合計135種。数えている間はページが最後の方になるにつれてヒヤヒヤしていましたが、最終的には目標種を15種類も越えており、感激のヒヨ吉でした。

思い起こせば、1年前に「1年で120種類の野鳥と出会える本」を読んで、1年間ちゃんとフィールドに出れば120種類もの鳥たちに出会えることに魅力を感じたことから始まったこの企画。あっという間の1年でしたが、いろいろな場所での出会いを皆さんにお伝えできたことが一番の喜びでありました。

ヒヨ吉のコーナーに訪れてくださった皆様、本当にありがとうございました。皆様に応援を頂きながらのこの1年はとても充実したものでした。心より御礼申し上げます。

最後に、鳥を見に出かけたいけれど、どこに行ったらいいのか分からない〜という方、ぜひ「1年で120種類の野鳥と出会える本」を参考にしてみてください。また、関東近県の方でしたら、ヒヨ吉の訪れた場所を参考にするのも良いと思います。

皆さんのバードウォッチングが楽しいものになることをお祈りしております。


2007年1月吉日 ヒヨ吉

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おまけページはこちら!


12月出現鳥類リスト(横浜市戸塚区舞岡公園)
出現鳥類数 33種
12月注目種達成種 17種
2006新・見聞種 3種
番外種 なし
達成率 68%(注目種25種中17種)

番号 出現鳥類名 300図鑑掲載頁
12月注目種
2006初見種
1 コガモ 50
2 ハイタカ 76
3 コジュケイ 93
4 アオシギ 未掲載
5 キジバト 169
6 カワセミ 191
7 アリスイ 194
8 コゲラ 202
9 ハクセキレイ 211
10 セグロセキレイ 212
11 ヒヨドリ 218
12 モズ 202
13 ルリビタキ 232
14 ジョウビタキ 233
15 アカハラ 239
16 シロハラ 242
17 ツグミ 243
18 ウグイス 244
19 エナガ 263
20 シジュウカラ 269
21 メジロ 272
22 ホオジロ 274
23 カシラダカ 277
24 アオジ 282
25 カワラヒワ 286
26 ベニマシコ 292
27 ウソ 293
28 シメ 296
29 スズメ 298
30 ムクドリ 300
31 カケス 301
32 ハシボソガラス 308
33 ハシブトガラス 309

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