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ヒヨ吉が行く2007
バックナンバー2006
まえがき
1月 池や湖沼で
2月 海辺で
3月 家の周りで
4月 干潟や田んぼで
5月 新緑の山地で
6月 河原で
7月 高原で
8月 高山で登山
9月 田んぼで・秋
10月 タカの渡り
11月 冬のアシ原
12月 雑木林で野鳥
バックナンバー2005
ヒヨ吉読者の広場
中野さんからのメール

 

1年で120種類の鳥と出会うことは本当に可能なのか?


1月は「池や湖沼でカモを観察しよう」


      場所:東京都台東区・文京区上野不忍池
日付:2006年1月3日(火)



読者のみなさん、こんにちは。BIRDER編集部のヒヨ吉です。

さて、今回はカモ類を見に行くのが目標です。どこに行こうかと120種の本を眺めていたら、巻末の探鳥地案内(P98-109)に上野不忍池が出ていました。東京のド真ん中……。こんなところでいいの? とやや不安を覚えながらも、初詣の帰り(1月3日)にちょっと立ち寄っていくことにしました。

本のなかの案内では、JR上野駅や東京メトロ日比谷線、銀座線が最寄り駅として載っていましたが、明治神宮へ行った後でしたので、地図を調べて東京メトロ千代田線湯島駅を下車することにしました。

一番出口を出て左へ進むと、徒歩数分で池のそばに到着することができます。野鳥観察がメインならば、ほかの駅よりもかなり便利でお勧めです。お正月で交通量が少ない交差点を渡ると池に到着(写真3)。


  写真3:上野不忍池。蓮の枯れた茎がたくさんあります


池には蓮の枯れた茎がたくさんあり、すぐにはカモがいるようには見えませんでした。でも、池のそばまで行くと、なんとカモたちは泳いでいるのではなく、歩道の上を歩いているではないですか! 泳いでいる姿をイメージしてやってきたのに、なんだかちょっと拍子抜け。でも、ちゃんと観察しなくちゃ! さてさて、このカモたちは頭が焦げ茶色で、尾がヒュンと長いから……オナガガモ(写真4-1:雄、 4-2:雌)、っと。


 
写真4-1:オナガガモ雄
  写真4-2:オナガガモ雌


池の中央を通る歩道を歩いていくと、カモたちがいました。黒い体に白い脇腹、目ん玉が黄色にキラーンと光っているキンクロハジロ(写真5)を発見。そして、泳ぐカモも発見(笑)。嘴が黄色で頭が緑色のマガモ(写真6)を確認して、体が灰色で頭が赤茶色のホシハジロ(写真7)も。頭が茶色でホシハジロに似ているけれど、おでこの黄色がかわいらしいヒドリガモ(写真8)の歩く姿を見ました。


 
写真5:キンクロハジロ
  写真6:マガモ雄
     
 
写真7:ホシハジロ
  写真8:ヒドリガモ


とてもよく似た色をしていますが、ホシハジロがちょっと恐い顔に見えたのは目が赤いからです(ヒドリガモは目が黒い)。パンを与えるおじさんの周りを、フワフワと飛んでいる白い鳥はユリカモメです(写真9)。カモたちはその下でおこぼれを食べに集まっていました(写真10)。身体が重い分、仕方がないのでしょうね。


 
写真9:パンに群がるユリカモメ
  写真10:ドバトといっしょにおこぼれを食べるカモ


素手で捕まえられそうな距離にいるカモたちを、わざわざ双眼鏡でじろじろ見ていたヒヨ吉を不思議そうな思った人が声をかけてきて、「カモがよく見たいなら、あっちにほかの種類がいるみたいよ」と、ボート乗り場の近くを勧めてくれました。

行ってみると、頭が緑色でマガモよく似ているようですが、嘴がしゃもじみたいな形をしているカモがいます。図鑑を見ると、ハシビロガモ(写真11-1・雄、11-2・雌)と判明。


 
写真11-1:ハシビロガモ雄
  写真11-2:ハシビロガモ雌


その中に、三井物産ビルの池で繁殖し、一躍有名になったカルガモ(写真12)も1羽いました。嘴の先が黄色いのが特徴だと図鑑にあって……黄色い点が嘴に、うん、あるある。


  写真12:カルガモ


その後、ゆっくり歩いて池のほぼ中央、弁財天の近くで1羽のカモに向かってバシャバシャとシャッターを切っているカメラマンの人がいました。

このカモは頭が栗色と緑色の微妙な光沢。なんじゃ、これ?? 120種の本のカモのページを広げても、同じ模様のカモが載っていないのでヒヨ吉はますます困惑。カメラマンのおじさんに聞くと「これ? ヨシガモ(写真13)っていうんだよ。この近さではなかなか見られない鳥で、珍しいよ」と教えてくれました。それにしても頭の反射模様がきれいな鳥。うっとりしてしまいました。


  写真13:ヨシガモ


そのときです。しきりとカモたちが頸を伸ばし、空を気にし始めました。ユリカモメはギューイギューイと鳴き始めて急に騒がしくなり、群れとなって同じ方向に飛び回ります。

「上空を見て!」と、双眼鏡を首から下げたおじさんが指差したその先には、2羽の鳥が飛んでいました。むむむ? なんだろうと首を傾げるヒヨ吉に、そのおじさんは「オオタカ(写真14)とノスリ(写真15)だね」と教えてくれました。


 
写真14:オオタカ
  写真15:ノスリ


すごい、すごい! オオタカとノスリをふらっと訪れた場所で見てしまうなんて、なんてラッキーなのでしょう! 年末ジャンボはハズれたけれど、その分を取り返した気がしました。


さっそく、記録をフィールドノートに記入。かっこよくなるように、スケッチも入れてみました(写真16)。


  写真16:フィールドノートのスケッチ


年の初めの探鳥で、カモと猛禽を堪能したヒヨ吉。幸先のいいスタートです。さーて、次回はどこに行こうかな〜。




出現鳥類数 32種(番外種2種)
1月注目種達成種 21種 達成率75%(1月注目種28種類中)
2006新・見聞種 32種(1回目なので、今回は全種)

番号 出現鳥類名 300図鑑掲載頁 1月注目種 2006初見種
1 オナガガモ 56
2 ユリカモメ 149
3 キンクロハジロ 59
4 メジロ 272  
5 マガモ 48
6 カワウ 22
7 ハシブトガラス 309  
8 スズメ 298  
9 ホシハジロ 58  
10 ヒヨドリ 218  
11 セグロカモメ 150
12 オオセグロカモメ 151  
13 カルガモ 49
14 ヒドリガモ 54
15 コサギ 34
16 アオサギ 36
17 ウミネコ 155
18 オオバン 105
19 ムクドリ 300  
20 バン 104
21 カイツブリ 12
22 ヨシガモ 52  
23 ゴイサギ 29
24 ウグイス 244  
25 ツグミ 243  
26 トビ 70
27 ダイサギ 32
28 シジュウカラ 269  
29 ハクセキレイ 211
30 オオタカ 73
31 ノスリ 77  
32 ハシビロガモ 57
         
番外 アヒル 311    
番外 ドバト 311    

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