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2013年10月号

 

カラ類の声を聞き分けよう!


シジュウカラ Parus minor

shijukara


シジュウカラさえずり
シジュウカラ地鳴き
シジュウカラ地鳴き(警戒の声)
シジュウカラ幼鳥の声
イシガキシジュウカラさえずり
イシガキシジュウカラ地鳴き

季節
早い年は1月中旬から。6月まで。子育てを2回行うためか、ピークは早春と初夏に2回ある。秋の彼岸などにも聞くことがある。

時間帯
日の出とともにさえずりはじめ、早朝に頻度が高い。

場所
木の梢や電線など、目立つところに止まってさえずる。なわばり内の数か所のソングポストを巡回してさえずる。

さえずりの声
透き通ったように澄んだ声で、同じ音を2音続けて出した後、別の高さの音を1音出し、これを数回くり返すのが基調。また、高い音1音と低い音1音、あるいは逆に低い音と高い音の順で、くり返す場合もある。

同じ節のくり返しでは「ツピー、ツピー」や「ツツピー、ツツピー」を数回続け、ひと呼吸置いてまた同じ節でくり返す。

「ツー」が3,500〜4,500Hz、「ピー」が4,500〜7,000Hzと高さのかなり違う音を交互に発声していることになる。これを、長いと5〜6分間、数十回くり返す。

途中で節の調子を「ツピー」から「ピツー」と変えることもある。これは、いろいろな鳴きかたをする雄がここにはいて、なわばりが混んでいることを主張しているという説がある。

ほかのカラ類のさえずりに比べてバリエーションが多いが、典型的な鳴き方であれは、識別に迷うことはないと思う。しかし、テンポが速いヒガラ的な声、テンポが遅いコガラ的な声もあるので、鳴く姿を伴う確認が必要である。

地鳴きなどの声
「チー、チー」などほかのカラ類と同じような鳴き声を出す。しかし、しばらく聞いていると「ツッピン、ジュクジュク」や「ポケチ」と鳴くことがある。これは、シジュウカラ特有の声だ。巣に近づいたときに「あっち行け!」と聞こえる鋭い声を出すことがある。

警戒の声は、ハシブトガラスが来たときは「チカチカ」と鳴き、雛はこれを聞くと巣の奥に入る。ヘビの場合は「ジャジャ」と鳴き、雛は巣の外へ逃げるという。

幼鳥の群れは「ツー、ツー、ツー」とささやくような声で鳴き合い、森の中を移動していく。

亜種間の声の違い
4亜種は南へ行くほど、さえずりに濁りを感じる。特にイシガキシジュウカラは、“Bird of East Asia”(Mark Brazil・2009)では別種扱いとなっている。それだけ音色に濁りがあり、違いが大きい。

本州と同一亜種だが、対馬の個体にも濁りを感じた。

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